プリンは、子どもからお年寄りまで人気があるおやつの定番とも言えます。
手作りして思い通りの固さのプリンに仕上がった時は、うれしいものです。
しかし、手作りプリンは失敗しやすいメニューだとも言われています。
いつもと同じように作ったつもりでも、プリンが固まっていなかったということもありますよね。
- プリンが固まらない原因は、卵を使ったプリンとゼラチンを使ったプリンとでは異なります。
- プリンが固まらない時に、オーブンでの再加熱で固まる時間は5分ほどです。
それでは、プリンが固まらない原因は何か、オーブンでの再加熱で固まる時間はどれくらいかなどについて、もう少し詳しくご紹介していきます。
手作りプリンが固まらなかった時にこの記事を参考にしてもらえれば対処方法が分かるので、がっかりせずに美味しいプリンが食べられますよ。
プリンが固まらない原因
プリンが固まらない原因は、卵を使ったプリンとゼラチンを使ったプリンとでは異なります。
卵を使ったプリンが固まらない原因
卵を使ったプリンが固まらない理由として、
- 牛乳の量に対して卵が少ない
- 加熱温度が低い
- 加熱時間が短い
の3つが考えられます。
牛乳の量に対して卵が少ない
卵を使ったプリンは、火を加えることで固まる卵の性質を利用するために、オーブンや蒸し器などを使って卵に火を通します。
プリンが固まらないのは、この卵の性質を利用できていないことが考えられます。
牛乳の量に対して卵の割合が少ないと、卵が固まる力で牛乳を固めることができません。
卵と牛乳は、1対2の割合で、卵50gに対して牛乳は100㏄を目安にすると失敗しないで固めることができます。
牛乳の量が多いほどトロトロな食感になりますが、慣れてくるまでは普通の一般的な固さのプリンをめざすとよいでしょう。
加熱温度が低い
卵は加熱することで、固まり始める温度がおよそ決まっています。
黄身がおよそ70℃、白身がおよそ80℃と言われています。
プリンは黄身も白身も使うので、80℃以上でないと卵が固まり始めないことになります。
しかし、高温で加熱し過ぎると、「す」という凸凹が入ってしまい、見栄えが良くないだけでなくボソボソと美味しくない食感になるので、高温になり過ぎない温度を保って加熱することが重要です。
加熱時間が短い
プリンは、卵のたんぱく質が熱変性することにより固まるので、プリンを加熱する時間が足りないと固まりません。
プリンを入れる容器の種類や大きさによっても、中まで火が通る時間が異なりますので、加熱時間の調節は必要になります。
ゼラチンを使ったプリンが固まらない原因
ゼラチンを使ったプリンが固まらない理由として、
- ゼラチンの量が少ない
- ゼラチンが溶けていない
- ゼラチンを沸騰させている
- 冷やす時間が短い
の4つが考えられます。
ゼラチンの量が少ない
ゼラチンを使ったプリンは、ゼラチンが固まる性質を利用してプリンも固まります。
卵で作るプリンと同様に、牛乳などの水分の分量に対してゼラチンの割合が少ないとしっかり固まりません。
ゼラチンの箱に表示してある分量を正確に量ることが大切です。
ゼラチンが溶けていない
ゼラチンは材料に溶かすだけで固めてくれるので便利ですが、低温では完全に溶け切らないことがあります。
適温は75℃~80℃ですから、適温内で材料をよく混ぜると液全体にゼラチンが行き渡ります。
事前に牛乳だけをゆっくりと温めた後に、ゼラチンを加えてよく溶かすと溶かしムラなどが予防できます。
ゼラチンを沸騰させている
ゼラチンを溶かす時の温度は低くてもうまく固まりませんが、熱し過ぎてもよくありません。
ゼラチンは熱に弱いので、沸騰させてしまうことでゼラチンの固まる力が分解してしまうこともあります。
私が購入したゼラチンの箱には、「ゼリー液を沸騰させると固まりにくくなることがあります。」と明記してありました。
冷やす時間が短い
ゼラチンを使ったプリンの冷やす時間は、固める容器によっても異なりますが、少なくとも2時間、一般的には3~6時間は必要だと言われています。
大きめの容器で作って固まりにくい場合は、冷蔵庫で冷やす時間を更に多くすることで固まることもあります。
また、冷蔵庫の開閉が多いと冷蔵庫内の温度が上がってしまい、プリンが固まらなくなるので注意しましょう。
実際に私もゼラチンを使って、かぼちゃプリンを作ってみました。
冷蔵庫で6時間ほど冷やしたら固まりました。
次の写真はその時のものです。
上の写真:裏ごししたかぼちゃに豆乳を混ぜたもの、砂糖、バニラエッセンス、ゼラチン
下の写真左:固める前のかぼちゃプリン液
下の写真右:冷蔵庫で冷やして固めたかぼちゃプリン
右の写真をよく見ると、固まっているのが分かります。
食べてみると、滑らかで舌触りもよく、かぼちゃ味のプリンも美味しいと思いました。
実際に作ってみて、ゼラチンを使ったプリン作りでうまく固まるためには、ゼラチンの量や溶け具合、冷やす時間が大事であることが分かりました。
プリンの再加熱の時間
プリンが固まらない時に、オーブンでの再加熱で固まる時間は5分ほどです。
それでも固まらない場合は、様子を確認しながらさらに再加熱するとよいでしょう。
プリン作りは、オーブンを使用する、蒸し器を使用する、鍋・フライパンを使用するなど様々だと思いますが、そのまま再加熱することで固まることが多いです。
オーブンを使用した場合
オーブンでプリンを作る場合の一般的な温度は、150℃で30分ほど蒸し焼きにすることです。
固まらない時に再加熱する場合は、オーブンの温度をそのままで、または少し上げて5分ぐらいずつから様子を確認しながら再加熱するとよいでしょう。
オーブンの機種によって設定温度に違いが出ますので注意してください。
140℃以下になっていた場合、上手く加熱されていないことが考えられます。
時間が経過したら一度確認し、固まっていない場合はそのまま再加熱すると固まることが多いです。
その時、天板(またはバット)に入れているお湯に熱湯を足して、プリンが入っている容器がお湯に半分くらい浸かるようにします。
こうすることで、プリンの再加熱の準備ができ、プリンが固まりやすくなります。
私は、オーブンを使ってプリンを作ってみました。
上記の写真が、そのプリンです。
家にある材料、卵、豆乳、きび砂糖で作りました。
一般的にプリンを作るには、白砂糖やグラニュー糖を使いますが、白砂糖やグラニュー糖の買い置きがなかったので、きび砂糖を使って作りました。
今までプリンを作った経験は数えるくらいしかなく、その時は蒸し器で作ったので、温度調節がうまくいかなくて「す」が入ってしまい、少しがっかりしたことを覚えています。
今回は、初めてオーブンを使用してのプリン作りに挑戦してみました。
上手く固まるか心配でしたが、すが入ることもなく滑らかな食感で、今まで作ったプリンの中で一番美味しかったです。
実際に作ってみて、プリンがうまく固まるためには、牛乳と卵の割合や、加熱温度と加熱時間がとても大切だと感じました。
蒸し器を使用した場合
蒸し器を使ってプリンを作る場合は、蒸気温度を85~90℃に保って、15~20分ほど蒸します。
蒸し器を使ったプリンを再加熱する場合は、弱火で10分ほど蒸します。
加熱し過ぎないように、こまめに確かめて加熱します。
蒸し器は伝熱性が優れているので、蓋をずらすなどして温度を下げるようにしないと温度が上がり過ぎてしまいます。
蒸し器で作るプリンが固まらないのは、温度を上げ過ぎたことが原因となるものが多いので、慣れるまでは温度計を使って温度管理をするとよいでしょう。
鍋・フライパンを使用した場合
鍋とフライパン、それぞれを使用した場合の再加熱の時間について、お伝えします。
フライパンを使用した場合
フライパンを使ってプリンを作る場合は、蓋を閉じて弱火で15分ほど加熱した後、火を消してそのままで10分ほど置けばできます。
フライパンを使って再加熱する場合は、フライパンに入ったお湯を沸騰させた後、弱火にして蓋をして10分ほど再加熱し、火を消してそのまま15分ほど置きます。
火加減が強すぎると固くなりやすいので注意が必要です。
鍋を使用した場合
鍋を使ってプリンを作る場合、蓋を閉じて弱火で7分ほど加熱した後、火を消してそのままで7分ほど置けばできます。
鍋を使って再加熱する場合は、鍋に入ったお湯を沸騰させた後、蓋を閉じて弱火で3~4分加熱し、火を消してそのままで数分置きます。
固まらないプリンは食べても大丈夫?
固まらないドロドロの生焼けプリンは、そのまま食べない方がよいでしょう。
固まらないプリンを食べない方がよい理由
固まらないプリンを食べない方がよい理由は、生焼けでは牛乳と卵にしっかり火が通っていなくて傷みやすい状態だと言えるからです。
牛乳や卵は、よく冷やしてあるか、よく加熱してあれば食べることができますが、固まらないプリンの状態の牛乳や卵は、生ぬるくて雑菌が繁殖しやすい状況ですので、口にすることで腹痛や下痢などの症状が出てしまうこともあると思われます。
固まらなかったプリンは、できれば加熱し直すなどしてリメイクするとよいでしょう。
固まらないプリンのリメイク法
プリンが固まらなかった場合、処分するのはもったいないのでリメイクすることをおすすめします。
固まらないプリンを使ってのリメイクとして、
- ミルクセーキ
- プリンのフレンチトースト
- プリン味のケーキ
をお伝えします。
ミルクセーキ
固まらないプリンを、ジューサーやミキサーにかけて冷やすとミルクセーキになります。
《用意するもの》
- 固まらなかったプリン液:適量
- バニラエッセンス(あれば):適量
《作り方》
- ジューサー(なければ泡立て器)で、プリン液をよく撹拌する。
- 氷を入れたグラスに注げば出来上がり。
鍋や電子レンジを使ってプリン液を加熱し、火を止めてバニラエッセンスを加えれば、ホットミルクセーキになります。
プリンのフレンチトースト
固まらないプリンをパンに塗ってオーブンで焼けば、フレンチトーストになります。
《用意するもの》
- 固まらなかったプリン液:適量
- 食パンまたはフランスパン:適量
- カラメルソース(あれば):適量
《作り方》
- パンの上にプリン液を多めに塗る。
- カラメルソースを上から少しかける。
- プリン液を塗ったパンをオーブンで焼く。
オーブンで焼くことで、プリンの再加熱もできて、美味しいフレンチトーストになります。
プリン液には十分甘みがあるので、食べる時に砂糖やはちみつなどの甘味をかけなくても美味しいです。
プリン味のケーキ
固まらないプリンとホットケーキミックスを混ぜて、ケーキ型に入れてオーブンで焼けば、カスタード風味のバウンドケーキになります。
《用意するもの》
- 固まらなかったプリン液:3個分
- ホットケーキミックス:150g
- ベーキングパウダー:3g(あれば)
- カラメルソース(あれば)
《作り方》
- ホットケーキミックス150g、3個分のプリン液、ベーキングパウダー3gをすべてよく混ぜてから、ケーキ型に流し込む。
- 160℃に温めたオーブンで45分ほど焼く。
ベーキングパウダーを加えると、ふっくらとした仕上がりになります。
もう少し甘さが欲しい時には、お好みでカラメルソースをかけても美味しくいただけます。
まとめ
プリンが固まらない原因は何か、オーブンでの再加熱で固まる時間はどれくらいかなどについてお伝えしました。
- プリンが固まらない原因は、卵を使ったプリンとゼラチンを使ったプリンとでは異なる。
- プリンが固まらない時に、オーブンでの再加熱で固まる時間は5分ほど。
プリンのカロリーや糖質量は、他のデザートに比べると低めだと言われています。
ダイエットやカロリーオフをしている場合には、手作りにして砂糖の一部をカロリーの少ない甘味料に変えることで、よりヘルシーになります。
手作りのプリンを作った時に固まらなかった場合は、この記事を参考に原因がどこにあるか、ひとつずつ確認してもらい、次に作る時の参考にしてもらえたらうれしいです。
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