健康ブームを背景にして、糖質制限や糖質オフなどの言葉を耳にすることが多くなりました。
糖質制限をしていなくても、糖質の摂取は控えめにした方がよいと言われていますので、日々食べている食べ物の糖質が角砂糖何個分になるのか気になります。
- 角砂糖1個の糖質は、3~4gです。
- ご飯100g(小盛り1杯)の糖質は、36.8gなので、角砂糖10個分ほどの糖質が含まれていることになります。
- ご飯は多糖類のでんぷんがほとんどで、でんぷんはブドウ糖に分解されて体に吸収されるため、単純に角砂糖との比較はできないと言えます。
- ビールの糖質は3.1gなので、100mlのビールには角砂糖約1個分の糖質が含まれていることになります。
それでは、角砂糖1個の糖質は何グラムか、ご飯やビールの糖質は角砂糖換算でどれくらいかなどについて、もう少し詳しくご紹介していきます。
糖質制限している方はもちろんですが、特にしていない方もこの記事を参考に、日頃よく食べる食品の糖質が角砂糖に換算してどれくらいなのかわかると、毎日の食事の際の参考になりますよ。
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角砂糖1個の糖質は何グラム?
角砂糖1個の糖質は、3~4gです。
糖質は、角砂糖として使われる砂糖の種類によっても違いますが、角砂糖に使われることが多いグラニュー糖ときび砂糖で考えてみます。
角砂糖1個の糖質量
グラニュー糖の角砂糖1個の糖質量
糖質は、炭水化物から食物繊維を引くことで求められますから、グラニュー糖100gあたりの炭水化物が100g、食物繊維が0gなので糖質量は100gになります。
重さ1gの糖質量は1gとなりますので、グラニュー糖の角砂糖1個(3~4g)の糖質量は、3~4gということになります
引用:https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365419.htm
きび砂糖の角砂糖1個の糖質量
次にきび砂糖の場合の糖質について考えてみます。
残念ながら食品標準成分表にきび砂糖の記載がありませんので、我が家で使用しているきび砂糖の記載の数値で考えてみました。
食物繊維の記載はありませんでしたので、炭水化物98.8gの数値を糖質と考えても問題ないと思いますので、100gのきび砂糖の糖質量は98.8gとします。
角砂糖1個の重さ1gの糖質量は、0.988gとなります。
1個3~4gのきび砂糖の糖質量は、2.964~3.952gですから、約3~4gということになります。
角砂糖1個のカロリー
グラニュー糖1個のカロリー
グラニュー糖100gのカロリーは387kcalなので、1g当たりのカロリーは3.87 kcalになります。
従って、グラニュー糖の角砂糖1個(3~4g)のカロリーは、11.61~15.48 kcalということになります。
きび砂糖1個のカロリー
きび砂糖100gのカロリーは396kcalなので、1g当たりのカロリーは3.96 kcalになります。
きび砂糖の角砂糖は通常より小さめのサイズで、1個1gというものもあるので、こちらですときび砂糖の角砂糖1個1gのカロリーは、そのまま3.96 kcalになります。
ご飯の糖質と角砂糖の違い
ご飯の糖質を角砂糖に換算するのは、間違っているといってもよいでしょう。
糖質の量が同じでも、ご飯と角砂糖は単純に比較できないのです。
たくさんの砂糖などが入っている飲み物やお菓子は、糖質を角砂糖に換算することは可能ですが、ご飯の糖質はそういうわけにはいきません。
「お茶碗に1杯分のご飯には、角砂糖〇○個分の糖質が入っている。」という写真付きの記事を見ることがありますが、このようにご飯の糖質を角砂糖に換算して表すのは間違っていると言えます。
炭水化物、糖質、糖類の違い
- 炭水化物→糖質+食物繊維
- 糖質→多糖類+糖アルコール+その他
- 糖類→二糖類+単糖類
という分類になります。
ご飯は、糖質と食物繊維で構成されていて、糖質の主な物はでんぷんです。
炭水化物の中で、食物繊維を除いたものをまとめて糖質と言います。
分解された糖類の種類
ご飯に含まれるでんぷんは多糖類で、たくさんの単糖類(グルコース:ブドウ糖)が結びついてできています。
砂糖(角砂糖)は、二糖類のうちのスクラロース(ショ糖)で、単糖類のブドウ糖と果糖が結合したものです。
ご飯と角砂糖は同じ糖質ですが、構成している成分が異なります。
ご飯の糖質が多糖類のでんぷんですから、二糖類のショ糖で作られている角砂糖に換算して、何個分と表すのは短絡的だと言えるでしょう。
でんぷんの消化・吸収
ご飯の主な糖質であるでんぷんは、唾液(消化酵素アミラーゼ)によって麦芽糖に分解されます。
麦芽糖になりきれなかったでんぷんは、十二指腸で麦芽糖になります。
小腸にたどり着いた麦芽糖は、消化酵素(マルターゼ)によってブドウ糖に分解されて体に吸収されます。
肝臓に運ばれたブドウ糖の一部は、肝臓で蓄えられます。
残りは身体全体に送られて体を動かすエネルギーになり、余った時には脂肪になります。
このようにお米の主成分であるでんぷんは、ブドウ糖に分解されて体に吸収されますが、砂糖の主成分であるショ糖は、ブドウ糖プラス果糖として吸収されるので、ダブルで処理する砂糖の方が、より太りやすいと言えます。
このことは、でんぷんが主成分の穀類や豆類、芋類などでも角砂糖に換算して同じ量を摂った場合、砂糖を摂った方が太りやすいです。
「ブドウ糖を摂った人に比べて、果糖を摂った人は太りやすい。」というデータもあるそうです。
加工品の糖質を角砂糖に換算すること
先ほど、ご飯の糖質を角砂糖に換算して何個分と表すのは短絡的だと申しましたが、飲料や嗜好品は砂糖を使用して加工したものが多いので、その糖質量を角砂糖に置き替えて考えることは、糖質の摂り過ぎを避けることにつながるので、意味のあることだと言えます。
食べ物の糖質は角砂糖換算で何個分?
ビール100mlの糖質は角砂糖1個分、コーラ100mlの糖質は角砂糖3個分、うどん(茹で麺)100gの糖質は角砂糖6個分、白米(ご飯)100gの糖質は角砂糖10個分、ラーメン(中華麺:茹で麺)100gの糖質は角砂糖8個分に当たります。
上記の食べ物や飲み物の糖質量や角砂糖に換算した場合についてまとめると、下記のようになります。
(100g当たり)
カロリー | 炭水化物 | 食物繊維 | 糖質 | 角砂糖換算 | |
ビール(淡色) | 40kcal | 3.1g | 0 | 3.1g | 0.8個 |
コーラ | 46 kcal | 11.4g | 0 | 11.4g | 3.2個 |
うどん(茹で) | 105 kcal | 21.6g | 0.8g | 20.8g | 5.9個 |
白米(ご飯) | 168 kcal | 37.1g | 0.3g | 36.8g | 10.5個 |
ラーメン(ゆで) | 149 kcal | 29.2g | 1.3g | 27.9g | 7.9個 |
角砂糖換算は、角砂糖1個を3.5gとして換算しました。
ビールの糖質
ビールの糖質量と角砂糖換算した結果をまとめると、下記のようになります。
カロリー | 炭水化物 | 食物繊維 | 糖質 | 角砂糖換算 | |
淡色 | 40 kcal | 3.1g | 0 | 3.1g | 0.88個 |
黒 | 46 kcal | 3.6g | 0 | 3.6g | 1.02個 |
スタウト | 63 kcal | 4.9g | 0 | 4.9g | 1.4個 |
発泡酒 | 45 kcal | 3.6g | 0 | 3.6g | 1.02個 |
角砂糖1個の糖質は、3~4gなので、ビール100mlの糖質は角砂糖約1個と同じになります。
しかし実際にはビールを飲むときに、100ml飲むことは少ないでしょう。
コップ1杯分200ml、缶1缶分350ml、ジョッキ1杯分500ml、と飲む量が増えると摂取する糖質量も増えていきます。
ビールのカロリーや糖質は特に多い方ではありませんが、ビールの原料であるホップや炭酸ガスにより食欲が増して、食べ過ぎてしまう恐れもあると言われています。
ビールを飲む時には、飲み過ぎや食べ過ぎに注意して適量で済ませるとよいでしょう。
コーラの糖質量
コーラと他の飲み物のカロリーと糖質量を比較してみると下記のようになります。
カロリー | 糖質 | 角砂糖換算 | |
コーラ | 46 kcal | 11.4g | 3.25個 |
果実色飲料 | 51 kcal | 12.8g | 3.65個 |
サイダー | 41 kcal | 10.2g | 2.91個 |
コーラの食物繊維の表記は食品標準成分表にはありませんでしたので、炭水化物=糖質となります。
100mlのコーラのカロリーや糖質はそれほどまで高くはありませんが、飲み過ぎると体重増加の原因にもなります。
コーラは嗜好品として、1日にコップ1杯(200ml)程度を飲むようにするとよいでしょう。
白米(ご飯)の糖質量
白米(ご飯)の糖質量と角砂糖換算の結果は、下記のようになります。
カロリー | 炭水化物 | 食物繊維 | 糖質 | 角砂糖換算 | |
白米(ご飯) | 168kcal | 37.1g | 0.3g | 36.8g | 10.5個 |
食品は栄養素の集合体で、ご飯と角砂糖(グラニュー糖)の100gを構成する成分を見てみると、角砂糖(グラニュー糖)は、100gのカロリーは387kcalで100%が糖質です。
それに対し、ご飯は100gのカロリーは168kcalで、37%の糖質、残り63%の中にたんぱく質、脂質、ビタミン類、ミネラル類、食物繊維を含んでいます。
食品を構成する栄養素をとらえる時、糖質だけでなく全体的に見ることが大切なことが分かります。
ですから、ご飯と角砂糖に含まれる糖質だけを比較してもあまり意味がないことだと言えます。
うどんの糖質量
うどんの糖質量を角砂糖換算してみると、下記のようになります。
カロリー | 炭水化物 | 食物繊維 | 糖質 | 角砂糖換算 | |
うどん(生) | 270 kcal | 56.8g | 1.2g | 55.6g | 15.8個 |
うどん(茹で) | 105 kcal | 21.6g | 0.8g | 20.8g | 5.9個 |
干しうどん(乾) | 348 kcal | 71.9g | 2.4g | 69.5g | 19.8個 |
干しうどん(茹で) | 126 kcal | 25.8g | 0.7g | 25.1g | 7.1個 |
うどんの糖質は、ご飯と同じように多糖類のでんぷんがほとんどです。
でんぷんは、ブドウ糖に分解されて体に吸収されますから、単純に角砂糖との比較はできないので注意が必要です。
そのことを考慮しても、うどんの糖質量が多いことには変わりがないので、食べ過ぎに注意したり、糖質制限している時には控えたりするとよいでしょう。
ラーメンの糖質量
ラーメンの糖質量を角砂糖換算してみると、下記のようになります。
カロリー | 炭水化物 | 食物繊維 | 糖質 | 角砂糖換算 | |
中華麺(生) | 281 kcal | 55.7g | 2.1g | 53.6g | 15.3個 |
中華麺(茹で) | 149 kcal | 29.2g | 1.3g | 27.9g | 7.9個 |
干し中華麺(乾) | 365 kcal | 73.0g | 2.9g | 70.1g | 20.0個 |
干し中華麺(茹で) | 140 kcal | 28.1g | 1.5g | 26.6g | 7.6個 |
ラーメンの糖質は、ご飯やうどんと同じように多糖類のでんぷんがほとんどですから、うどんと同様のことが言えます。
まとめ
角砂糖1個の糖質は何グラムか、ご飯やビールの糖質は角砂糖換算でどれくらいかなどについてお伝えしました。
- 角砂糖1個の糖質は、3~4g。
- ご飯は多糖類のでんぷんがほとんどで、でんぷんはブドウ糖に分解されて体に吸収されるので単純に角砂糖との比較はできない。
- ビールの糖質は、3.1gなので、100mlのビールには角砂糖約1個分の糖質が含まれていることになる。
多量の砂糖が入っているお菓子や飲み物などは、糖質を角砂糖に換算することで、知らず知らずのうちに大量の糖質を摂取していることに気づくきっかけになるでしょう。
しかし、ご飯(白米)と角砂糖は同じ量の糖質を含んでいても全く別物ですので、ご飯の糖質は単純に角砂糖に換算することはできません。
ご飯の糖質を角砂糖に換算して、「ご飯(白米)が悪い。」と捉えてしまい、ご飯の代わりにジュースやお菓子を食べているとしたら、考え直す必要があります。
この記事が、主食類をしっかり食べて、余計な糖質はカットするように食生活を見直すきっかけになればうれしいです。
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