大根は、おでんや豚バラ大根などの煮物、生のままのサラダやスティック、大根おろしなどの様々な料理に使えて便利な野菜です。
しかし、大根を食べたら、胃痛や下痢の症状が出たという話も聞くので、食べる時には何か気を付けた方がよいのか気になります。
- 大根を食べ過ぎて胃が痛くなった場合の対処法は、水分を摂ることをおすすめします
- 大根の食べ過ぎで下痢になることもあります
- 大根そのもののカロリーは低いので太る心配はありませんが、一緒に調理する食材のカロリーに気を付けた方がよいでしょう
それでは、大根の食べ過ぎで胃が痛くなった時の対処法、食べ過ぎで下痢になったり、太ったりすることがあるのかなどについて、もう少し詳しくご紹介します。
大根料理を作ることが多いけれど、食べ過ぎたり太ったりしないか心配になる方、この記事を参考にしてもらえれば、安心して美味しい大根が食べられますよ。
大根の食べ過ぎで胃痛、腹痛、下痢になる原因と対処法
空腹時に大根おろしなど生で大根を食べると、胃痛の原因になることがあります。
その対処法は、
- 水分を摂る
- 牛乳を飲む
- 生で大根を食べないで加熱調理をして食べる
などがあります。
大根の食べ過ぎで胃痛になった場合の対処法
大根おろしを食べ過ぎて胃痛になった時には、水分を摂ることをおすすめします。
辛み成分のアリルイソチオシアネートが胃液の分泌を促して胃酸過多になっていると考えられるので、水分を摂って胃酸を薄めるとよいでしょう。
その際、牛乳を飲むと即効性があると言われています。
牛乳は、胃に膜を張って傷んだ胃壁の代わりとなって、胃痛を和らげる働きをしてくれます。
牛乳が苦手な人は、豆乳やヨーグルトを摂るとよいでしょう。
牛乳や豆乳は冷たい状態ではなく、人肌程度に温めてから飲むと下痢を起こす心配もなくなります。
また、胃痛は、大根おろしだけでなく生で大根を食べ過ぎることも原因となるので、加熱調理することもおすすめです。
特に胃腸が弱い人、子どもや高齢者、冷え性が気になる人などは、加熱して食べるとよいでしょう。
私は、胃腸が弱い方なので、大根おろしを食べると気持ち悪くなることがあります。
毎回ではなく、辛みが強い大根の方が、気持ち悪くなることが多いように感じます。
大根の食べ過ぎで胃痛になる原因
胃が空っぽ(空腹)の状態で、大根おろしの汁を飲むと、激しい胃痛が生じることがあるのは、アリルイソチオシアネートという大根の辛味成分によって引き起こされます。
アリルイソチオシアネートは、胃液の分泌を促す働きで消化を助けると言われており、大根をすりおろすことで生成されます。
アリルイソチオシアネートは、わさびや辛子にも含まれていて、癌抑制効果や肝臓の解毒作用などの効果がありますが、大根を食べ過ぎると、アリルイソチオシアネートの辛味成分が胃に刺激を与えすぎて、胃を痛めてしまう原因になります。
また、大根にはジアスターゼという消化酵素が含まれていて、胃酸をコントロールして消化を助けます。
本来はこれらの働きにより胃もたれや胸やけを防止しているのですが、胃が空っぽの状態で胃液が分泌されてしまうために、胃痛の原因になったと考えられます。
元々胃炎気味の方ですと、より胃痛の症状が出やすいのではないかと思われます。
大根の食べ過ぎで腹痛、下痢になる原因と対処法
大根を食べ過ぎて腹痛や下痢になってしまった時の対処法は、一般的に食べ過ぎや冷えなどにより症状が出た場合の対処法と同じです。
対処法として、まずお腹を温めます。
それでも治らない場合は、整腸剤や下痢止めなどを使ってお腹の調子を整えるとよいでしょう。
また、胃腸の調子が回復するまで、消化の良いものを食べるようにするといいです。
油っぽいものや食物繊維の多いものを食べると、腹痛や下痢がなかなか収まりません。
大根を食べ過ぎないようにするために、大根の1日の摂取目安量を知っておくとよいでしょう。
大根の1日の摂取目安量は約300gで、平均的な大根の大きさで6~8cmくらいとなります。
おでんの大根で2~3個くらいです。
しかし、生の大根では、大根おろしで小盛程度が適量です。
これは、ダイエット中での摂取目安にもなります。
また、不溶性食物繊維を摂り過ぎると、便秘を悪化させるので腹痛の原因になることもあるようです。
不溶性食物繊維は、特に大根の葉や皮に多く含まれているので、便秘気味の人は、これらの部位を料理にあまり使わない方がよいでしょう。
大根の食べ過ぎにより腹痛や下痢になるのは、大根に含まれる食物繊維と生の大根が体を冷やすことが原因と考えられます。
大根の食べ過ぎで、腹痛や下痢になる原因
大根には、便を柔らかくする作用がある水溶性食物繊維が含まれているので、大根を食べ過ぎることにより、この効果が出過ぎてしまいます。
これに加え、大根は水分量が多いので、生で食べることにより体が冷えてしまい、腹痛や下痢が起こりやすいと考えられます。
食べ過ぎによるその他の症状と原因・対処法
その他の起こる可能性がある症状は、
- アレルギーの発症
- おならが臭い
などがあります。
アレルギーの発症
大根おろしを食べたことで、アレルギーを発症する場合もあります。
大根を調理すると手のかゆみやじんましんが出たり、ヒリヒリしたりすることもあります。
これは、大根を触ることによって起こる接触性皮膚炎の可能性があります。
また食べることで胃痛や腹痛以外にも、喉のイガイガも起こるようです。
これらは、大根アレルギーの症状が出ている可能性があると言われています。
調理中に手の症状が出る場合には、ビニール製の手袋をするとよいでしょう。
症状が出ている時は、抗ヒスタミン剤やステロイド外用薬などで症状を抑えるとよいでしょう。
また、加熱すれば症状が出ないというのであれば生食を避け、加熱しても症状が出てしまう場合は、大根を食べることは控えたほうがいいかもしれません。
おならが大根の臭い
大根を食べることでおならが出たり、おならが大根臭くなったりすることもあります。
これは、大根に含まれる食物繊維や酵素が臭いの原因だと言われています。
おならの元となるのは、食物繊維が腸内で細菌によって分解・発酵される過程で発生するガスです。
大根はこのガスを発生させやすいと言われていて、食べ過ぎることで、おならの量が増えたり、臭いが強くなったりするそうです。
また、早食いすることで、一緒に空気を飲み込みおならとなって出ることもあります。
おならを防ぐためには、食べ過ぎないようにするとともに、ゆっくりとよく噛んで食べるとよいでしょう。
大根の食べ過ぎは太る?
大根を食べ過ぎても太ることはないでしょう。
大根はダイエットに向いている食材と言われています。
しかし、一緒に調理する食材のカロリーに気を付けた方がよいでしょう。
大根のカロリーや炭水化物の量
大根には、水分や食物繊維が豊富に含まれていて、カロリーも低いので、太りにくい食材と言われています。
大根と他の野菜やいも類の100g当たりのカロリー(エネルギー)と炭水化物の量を比較してみると(日本食品標準成分表による)
食品名 | エネルギー(kcal) | 炭水化物(g) |
大根 | 18 | 4.1 |
たまねぎ | 37 | 17.6 |
にんじん | 39 | 9.3 |
じゃがいも | 76 | 17.6 |
さつまいも | 134 | 31.9 |
かぼちゃ | 49 | 10.9 |
となり、カロリーも低く、炭水化物も少ないヘルシーな食材だと言えます。
適量を食べているのであれば、太る心配はほとんどなく、多少食べ過ぎても太る程の事ではないと思われます。
大根の食べ過ぎにならない量
大根1本食べても食物繊維に関して言えば、食べ過ぎにはならないようです。
どのくらい大根を食べても大丈夫なのか、1日に必要な食物繊維の摂取量について調べてみました。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)では、
18~64歳までの女性では18g以上、同じく男性では21g以上の食物繊維を1日の摂取目標値
としています。
大根には食物繊維が100gあたり1.4g含まれていますので、仮に1本約1kgの大根を食べたとしても、食物繊維の摂り過ぎにはならないと言えるでしょう。
しかし、他の野菜や人工的に添加されている食品と合わせると、摂り過ぎになることもあるので注意が必要です。
上記でもお伝えしたように、大根の1日の摂取目安量は約300gで、平均的な大根の大きさで6~8cmくらいとなります。
おでんの大根で2~3個くらいに留めておくと安心でしょう。
妊婦が大根を食べても大丈夫?
妊婦さんが大根を食べても大丈夫なようです。
ただし、良く洗ってから食べることと、食べ過ぎには注意しましょう。
よく洗ってから調理する
よく洗ってから調理した方がよい理由は、大根についている土などからトキソプラズマなどの感染症を予防する必要があるからです。
大根を煮たり焼いたりして加熱して食べることをおすすめしますが、大根おろしやサラダなど生で食べる場合は、よりしっかりと土を洗い落とすことが大切です。
食べ過ぎに注意
妊婦さんに限らず、大根を食べ過ぎると胃痛や下痢など引き起こす原因になります。
どんな食品でも食べ過ぎは禁物です。
偏った食事をしないで、特に妊娠中はバランスの良い食事を心がけるとよいでしょう。
まとめ
大根の食べ過ぎで胃が痛い時の対処法はあるか、食べ過ぎで下痢になったり太ったりすることがあるか、などについてお伝えしました。
- 大根を食べ過ぎて胃が痛くなった場合の対処法は、水分を摂ること
- 即効性があるのは、牛乳や豆乳
- 大根の食べ過ぎで下痢になることもある
- 大根そのもののカロリーは低いので太る心配はない。ただし大根と一緒に調理する食材のカロリーに気を付けた方がよい
大根を適量食べているならば、消化を促進、美肌効果、ダイエット効果、免疫力向上などの効能が期待できます。
大根を食べ過ぎて胃痛や腹痛・下痢などにならないように、また大根を食べ過ぎてしまった時にも、この記事を役立ててもらえたらうれしいです。
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