以前健康番組で取り上げられて話題になった鯖缶は、手軽に青魚が食べられるので、一時品薄になったこともある人気商品です。
健康効果を期待して、鯖缶を食べることを日課にしている人もいるようですが、実際に毎日食べ続けても大丈夫なのでしょうか。
- 鯖缶の食べ過ぎによっては、体に悪い場合もあります。鯖缶を毎日食べるメリットとデメリットがあります。
- 鯖缶を毎日食べても、1日1缶ぐらいであれば、心配しなくて大丈夫です。
- 鯖缶を食べることで、体脂肪が減るという報告もあります。
- 健康な人が魚を食べ続けたとしても、魚臭い体臭が出ることはないので、鯖缶は体臭には影響ありません。
それでは、鯖缶は体に悪いのか、毎日食べても大丈夫なのか、体脂肪や体臭に影響はあるのかなどについて、もう少し詳しくご紹介していきます。
鯖缶を食べ続けることで健康や美容に良い効果がありますが、デメリットもあります。
その両者を理解した上で、鯖缶をストックして日々の料理に活用できるように、是非チェックしてみてください。
鯖缶は体に悪い?
鯖缶は体に悪い場合もあります。
1日1缶ぐらいであれば、心配しなくて大丈夫ですが、1日に数缶食べ続ける場合は注意する必要があります。
下記に示す「鯖缶を取り続ける時の注意点」をよく理解し守っていただければ、鯖缶はメリットの多い食材です。
そのメリットをお伝えします。
コレステロール値の減少
鯖には、EPAやDHAが豊富に含まれているので、悪玉コレステロールを減らす働きがあります。
血液をサラサラにして動脈硬化や心筋梗塞の予防に役立ったり、血流を改善し、血圧を正常に保ってくれたりするので、生活習慣病の改善が期待できます。
EPAやDHAは体内ではほとんど作られないため、食事によって摂取しなければならないので、必須脂肪酸と呼ばれています。
がん予防
魚に含まれるDHAは、発がん性物質の発生を抑える効果があります。
特にDHAを豊富に含む鯖を食べ続けることは、がん予防になります。
昔に比べがん発生の割合が増加している昨今、日々の食生活に魚を取り入れることは大切であると言えるでしょう。
その魚を手軽に食べられるのが、缶詰です。
骨折の予防
鯖缶は、生の鯖を高温で熱処理して製造されているので、骨まで柔らかくなっています。
骨を作るために必要な栄養素が、カルシウムとビタミンDです。
骨づくりに欠かせないカルシウムとビタミンDが、鯖缶には両方含まれているので、鯖缶を食事に取り入れることで骨折予防になります。
子どもからお年寄りまで安心して食べられることも、メリットが大きいです。
脳の活性化
鯖缶には、脳を活性化する働きがあると言われるDHAが豊富に含まれています。
このDHAは、脳の構成成分で、脳内でも記憶に関わる海馬という所に多く集まっていると言われています。
DHAの摂取により脳の構成成分が整えられると、記憶力の向上や認知能力の低下の予防ができるそうです。
鯖缶を食べ続けるメリットを4つお伝えしましたが、この他にも、美肌・肌の老化防止、抜け毛予防、ストレスに強くなる、などの効果もあると言われています。
鯖缶を毎日食べるとどうなる?
鯖缶を毎日食べても、1日1缶ぐらいであれば、心配しなくて大丈夫ですが、食べ過ぎると吐き気や下痢を引き起こすこともあります。
鯖缶を毎日食べることで、体臭は変わるか、体脂肪や血圧はどうなるか、ダイエット効果はあるか、などについてお伝えします。
また、鯖缶を取り続ける時の注意点についてもお伝えします。
体臭は変わる?
健康な人が鯖缶を食べ続けたとしても、魚臭い体臭が出ることはありません。
食べ物が持っている臭いが、そのまま同じニオイの体臭として出るわけではないです。
人間が体臭として発散しているニオイ成分は、食べ物として摂取したものが元となっているので、食事と体臭は深い関係があります。
しかし、体に摂取した食べ物は、体内で分解されてエネルギーになったり、体の構成物に合成や蓄積されたりして体外に排出されます。
食べた物のニオイがする汗が出るわけではなく、ニオイ成分は肝臓で代謝されて尿に排出されてしまいます。
肝臓での代謝能力が低下してくると、食べ物のニオイの呼気が強くなったり、時には体臭として感じられたりすることもあるでしょう。
通常、健康な人が魚を食べ続けたとしても、魚臭い体臭が出ることはありませんので、鯖缶は体臭には影響ありません。
もしそのように感じることがあるとしたら、皮膚や衣服などに魚のニオイが付いたためだと思われます。
体脂肪はどうなる?
運動と組み合わせることで、体脂肪(体にすでについてしまっている脂肪)を減らすことができます。
鯖缶に含まれるEPAとDHAには、血液中の中性脂肪を減らしたり、善玉コレステロールを増加させて、動脈硬化を防いだりする効果もあります。
鯖缶をただ食べるだけでは、過剰エネルギーになり中性脂肪(血液中にある脂肪)を増やす原因となってしまいます。
EPAとDHAは、有酸素運動と組み合わせることで体脂肪を燃焼させる効果を発揮します。
体脂肪が減り筋肉量が増えると、基礎代謝を上げ、体脂肪や中性脂肪がたまりにくい体になります。
血圧はどうなる?
鯖から摂取したEPAが赤血球に取り込まれると細胞膜が柔らかくなるので、血流が改善し、血圧を正常に保ってくれます。
血管の弾力性が失われて硬くなったり、コレステロールが血管内に付着したりすると、血液の流れが悪くなり血圧が上がってしまいます。
このような症状を抑えてくれる働きをするのが、鯖缶に含まれるDHAとEPAで、血管を柔らかくしたり血管の炎症を抑えてくれたりします。
ダイエット効果はある?
鯖に含まれるEPAやDHAは、ダイエット効果もある栄養素です。
中性脂肪値が減ったり血行がよくなったりするので、新陳代謝が活発化し、ダイエット効果を発揮します。
また、EPAが分泌するGLP-1というホルモンは瘦せホルモンと呼ばれ、血糖値の上昇や糖尿病を予防し、満腹感をキープする働きもあります。
鯖缶を毎日食べたときのデメリット
鯖缶は健康効果が高い優れた食材ですが、毎日食べることで、
- 塩分の摂りすぎになりやすい
- プリン体が多く痛風になりやすい
- 水銀の摂りすぎにつながる
- ビスフェノールAが溶け出す
などのデメリットもあります。
塩分の摂りすぎになりやすい
鯖缶には、水煮の他に味噌煮や醤油煮などがありますが、いずれも塩分が含まれています。
毎日食べ続けることで塩分の過剰摂取になってしまいます。
特に味噌煮や醬油煮は、塩分量が水煮より多いので注意が必要です。
我が家で買い置きしてある同じメーカーの鯖水煮缶と鯖味噌煮缶の塩分相当量を比較してみると、
鯖水煮缶は、0.8g
鯖味噌煮缶は、1.2g
でした。
特に血圧が高い方は、鯖缶を選ぶ際には種類に注意した方がよいでしょう。
プリン体が多く痛風になりやすい
プリン体そのものは悪い成分ではないのですが、増えすぎると痛風や高尿酸血症の原因になると言われています。
私たちの体の中にあるプリン体の約80%は体内で作られていて、食べ物から摂取しているプリン体は約20%に過ぎないそうです。
しかし、体の中の尿酸値を高めているのは、この20%のプリン体なので、食べ物として摂取するプリン体を制限する必要があります。
健康効果が高い鯖缶ですが、鯖缶の汁にはプリン体が多く含まれています。
プリン体は肉類、魚類、野菜など多くの食品に含まれているので、まったく摂取しない生活は難しいと言えます。
鯖缶を食べる際、鯖の身だけでなく汁の活用も進められていますが、痛風を患っている、尿酸値が高いなどの場合は、汁は使わない、毎日食べるのでなく一日おきに食べるなど、摂取し過ぎない工夫をするとよいでしょう。
水銀の摂りすぎにつながる
近年、海洋汚染問題が話題になっていますが、鯖に限らず魚介類全般が人間にとって有害な物質を含んでいることが心配されます。
その中でも水銀が、大型の魚に蓄積されることが気になります。
しかし、魚介類から摂取する水銀量は、健康への影響が懸念されるようなレベルではないそうです。
普通に生活をしていて、バランスの良い食事をしていれば、気になるほどではありません。
鯖缶を1日に何缶も食べるようなことがなければ、大丈夫です。
ビスフェノールAが溶け出す
鯖缶に限らず、食品用の缶詰などに使用されているビスフェノールA(BPA)が溶け出すことが心配されます。
缶詰の内側が錆びないように、コーティング剤の原料にこのビスフェノールAが含まれているそうです。
成人への影響は心配ないようですが、特に、妊産婦や乳幼児には影響が及ぶという報告もあるので、注意が必要です。
BPAが入っていると思われる食品を、妊産婦や乳幼児は避けた方がよいでしょう。
まとめ
鯖缶は体に悪いか、毎日食べても大丈夫か、体脂肪や体臭に影響はあるか、などについてお伝えしました。
- 鯖缶を毎日食べても、1日1缶ぐらいであれ大丈夫ですが、食べ過ぎると、吐き気や下痢を引き起こすこともある
- 健康な人が魚を食べ続けたとしても、魚臭い体臭が出ることはないので、鯖缶は体臭に影響はない
- 運動と組み合わせることで、体脂肪を減らすことができる
鯖缶は、栄養価の高い鯖を缶詰にすることで、更に栄養価が増し健康効果が高まる食品です。
その反面、摂りすぎると心配なプリン体や水銀など、人間の体に有害な物も含まれています。
鯖缶を毎日食べる場合や日々の食事に鯖缶を取り入れる場合に、この記事が参考になればうれしいです。
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