鶏胸肉は、高たんぱく質で低脂質、しかも安価なので家計の助けになる食材です。
できれば、食卓に多く登場させたいのですが、加熱するとパサついたり、固くなったりしやすいのが難点です。
- 鶏胸肉を柔らかくするのに時短になるのは、塩と砂糖で作るブライン液に漬け込む方法です。
- ジッパー付きの保存袋に、鶏胸肉とブライン液を入れて空気を抜き、5分ほど揉み込みます。
- ブライン液に浸けた鶏胸肉をカットして低温で焼くと、ジューシーな仕上がりになります。
それでは、鶏胸肉を柔らかくするのに時短になるのは焼く、茹でる、漬け込む、煮る、のどれかなどについて、もう少し詳しくご紹介していきます。
加熱すると仕上がりがパサパサになりやすい鶏胸肉を敬遠してしまうことが多かった方も、この記事を参考にしてもらえれば、しっとりとして美味しい鶏胸肉になり、食卓を彩る主役的な存在になりますよ。
鶏胸肉を柔らかくする方法で一番時短になるのは?
鶏胸肉を柔らかくする方法で一番時短になるのは、塩と砂糖で作るブライン液に漬け込む方法です。
ブライン液
水100mlに対して塩と砂糖を5%ずつ溶かしてブライン液を作り、鶏胸肉に揉み込むことで、鶏胸肉を柔らかくすることができます。
ブライン液は、特別な調味料を必要としなくて、どこの家にもある塩と砂糖だけで作ることができるのでおすすめです。
脂肪は熱を加えても縮みにくい性質がありますが、鶏胸肉は脂肪の量が少ないので、加熱すると縮んでしまいます。
また、水分も押し出されるので、パサパサした食感になってしまいます。
鶏胸肉を柔らかくするためには、水分を保つことが必要ですが、塩と砂糖は保水効果を高めることができるので、水分の損失が少なくできます。
ブライン液を使った鶏胸肉の作り方
《材料》
- 鶏胸肉:200g
- 水:500ml
- 塩:25g
- 砂糖:25g
《作り方》
鶏胸肉にフオークで穴を空ける
鶏胸肉の表裏の両面に、フオークを刺して穴を空けます。
ブライン液が染み込みやすくなるように、多めに空けます。
鶏胸肉とブライン液を袋に入れて揉み込む
ジッパー付きの保存袋に、鶏胸肉とブライン液を入れて空気をよく抜き、5分ほど揉み込む。
時間がある場合は、鶏胸肉とブライン液が入っている保存袋を冷蔵庫で1時間以上寝かせることで、さらにしっとりとします。
鶏胸肉をカットする
鶏胸肉には、真ん中から放射状に伸びる筋繊維があるので、この筋繊維と交差するように垂直に包丁を入れて切ります。
《鶏胸肉の切り方》
- 鶏胸肉の左半分(丸みのある方)を切り落とす。
- 右半分を上下に切る。
- 左半分は横方向にそぎ切りにし、右半分は縦方向に切る。
このように切ることで筋繊維を切ることができるので、固くなるのを和らげることができます。
低温で火を通す
冷たいままのフライパンに油を引き、60~65℃の低温でゆっくり熱を加えることで、水分が出てしまうのを減らせるのでジューシーな仕上がりになります。
焼いている途中に鶏肉から出てくる水分は臭いの元となるので、キッチンペーパーで拭き取るとよいでしょう。
焼き具合を見て、途中で裏返して焼き上げれば完成です。
焼いた鶏胸肉は、好みのソースをかけて食べたり、炒め料理に使ったりできます。
私は、ブレイン液につけて5分間揉んだ鶏胸肉を焼いた後、ブロッコリーや人参、ウズラの卵と炒めて、「鶏胸肉と野菜のとろみ炒め」を作りました。
鶏胸肉はパサパサしないで、柔らかくプリッとした食感で美味しくいただくことができました。
後日、ブライン液に1時間ほど漬け込んでから焼いてみましたが、鶏胸肉の柔らかさに大きな違いはありませんでした。
また、冷めてしまって再加熱する時に温め過ぎないようにすると、作りたてに近い食感が戻ってきました。
鶏胸肉を柔らかくする方法【焼く】
鶏胸肉を柔らかく焼く方法は、低温でじっくり焼くことです。
淡白な鶏胸肉が美味しく食べられる「鶏胸肉のマヨネーズ焼き」についてお伝えします。
「鶏胸肉のマヨネーズ焼き」の注意点は、
- 鶏胸肉の繊維を切るようにカットすること
- 鶏胸肉が固くなったり、マヨネーズが焦げたりしないように、火加減を強すぎないようにすること
です。
「鶏胸肉のマヨネーズ焼き」の材料と作り方
《材料》
- 鶏胸肉:2枚
- あじ塩:適量
- 片栗粉:大さじ3~4杯
- サラダ油:小さじ1
- マヨネーズ:適量
《作り方》
鶏胸肉をカットする
「ブライン液を使った鶏胸肉の作り方」のカットの要領で、鶏胸肉全体に穴を空けてから、鶏胸肉の繊維を切るようにカットします。
鶏胸肉に下味を付ける
鶏胸肉にあじ塩を振って下味を付けます。
マヨネーズで焼くので、下味は控えめにします。
鶏胸肉に片栗粉をまぶす
- キッチン用のポリ袋に、鶏胸肉と片栗粉大さじ3~4杯ほど入れる。
- ポリ袋の中に空気を入れ、口をしっかり閉じて振る。肉全体に片栗粉をまぶせるように何度も振る。
- 途中で袋を開けて全体にまぶせているか確認する。足りないと思ったら片栗粉を加えて、もう一度振る。多い時には、焼く前に片栗粉を落とす。
鶏肉全体に片栗粉をまぶすことで、栄養成分と水分を中に閉じ込めることができます。
鶏肉を焼く
- フライパンにサラダ油小さじ1ほど入れて、鶏胸肉を約1分焼く。肉が焦げる心配がないフライパンの場合は省略しても大丈夫。
- マヨネーズ大さじ半分ほどを3か所に入れて溶けてきたら、フライパンを回して、マヨネーズを鶏胸肉全体に絡める。返しながら両面をカリカリに焼く。
- マヨネーズ適量を鶏胸肉に直接に乗せて、その面を裏返してマヨネーズを焼く。
- 焼いた鶏胸肉を、好みの野菜と一緒に盛り付ければ完成。
味付けがやや物足りない時には、ブラックペーパーをかけたり、粒マスタードをトッピングしたりすると味に変化を出せます。
鶏胸肉を柔らかくする方法【茹でる】
パサつきがちな鶏胸肉を、しっとりと柔らかく茹でるためのポイントは、
- 砂糖を揉みこむ
- 下味をつける
です。
砂糖を揉みこむ
鶏胸肉を茹でる前に砂糖を揉みこむことで柔らかに仕上げることができます。
砂糖は水に溶けやすく、周りの水分を吸収する性質を持っているので、その水分と鶏胸肉のタンパク質が結びついて、鶏胸肉が柔らかくジューシーに仕上がります。
その手順は、下記のようになります。
- 鶏胸肉1枚分に、砂糖大さじ1を揉みこむ。
- 15分ほど寝かせる。時間があれば一晩寝かせるとより柔らかくなる。
下味を付ける
塩をまぶしたり、お酒を加えたりして下味を付けることで、鶏胸肉の肉質は柔らかくなり、肉の臭みも取れます。
下味を付けてから、茹でる前に15分ほど馴染ませるとよいでしょう。
鶏胸肉をしっとりとさせる茹で方
鶏胸肉をしっとりと仕上げる茹で方は、
- 観音開きにする
- 沸騰したお湯に入れ、短時間茹でる
- 余熱で火を通す
です。
観音開きにする
鶏胸肉を真ん中から左右に観音開きにすることで、厚みが均一になり火の通りが良くなります。
また、鶏胸肉の皮を取り除くと、更に火が通りやすくなり、茹で時間の短縮にもなります。
沸騰したお湯に入れ、短時間茹でる
鶏胸肉を水から茹でてしまうと旨味が水の方に移ってしまいますが、沸騰したお湯から茹でることで、鶏胸肉の表面の身が引き締まって、旨味やジューシーさを保ちながら茹で上げることができます。
柔らかく茹でるためには、沸騰させた湯で茹で、茹でる時間をできるだけ短くするとよいでしょう。
余熱で火を通す
鶏胸肉は長く茹でることで、パサついて固い肉になってしまいます。
余熱を利用してじっくり火を通すと、鶏胸肉の柔らかさを保った状態で仕上げることができます。
その手順は、下記のようになります。
- 鶏胸肉を沸騰したお湯に入れて、2~3分ほど加熱する。
- 蓋をして火を止めて、そのまま冷めるまで置く。
一般的に、75℃で1分以上加熱すれば、食中毒の心配はほとんどないと言われています。
茹でた鶏胸肉をカットして赤みがある場合は、電子レンジで数分加熱します。
鶏胸肉を柔らかくする方法【漬け込む】
加熱による水分の減少を抑えて、筋繊維を分解する食材や調味料と一緒に漬け込むことで、鶏胸肉を柔らかくすることができます。
鶏胸肉を柔らかくする漬け込み食材として、上記で紹介したブライン液の他に、
- ヨーグルト
- 舞茸
- 塩麴
についてお伝えします。
ヨーグルト
鶏胸肉をヨーグルトに漬け込むことで、肉質が酸性に傾き水分を保ちやすい状態になるため、しっとりとした食感になります。
またヨーグルトに含まれる乳酸菌には、肉質を柔らかくする効果があるそうです。
《ヨーグルトを使った漬け込み方法》
- 鶏胸肉:1枚
- ヨーグルト:大さじ3
鶏胸肉は一口大に切って、ヨーグルトを揉みこんだ後、一晩冷蔵庫に入れておきます。
舞茸
舞茸は「プロテアーゼ」というタンパク質を分解する酵素を含んでいるので、鶏胸肉を柔らかくする効果があると言われています。
味が強めなので、入れ過ぎには注意が必要です。
《舞茸を使った漬け込み方法》
- 鶏胸肉:1枚(300g)
- 舞茸:20g
- 砂糖:小さじ1
- 塩:小さじ1/4
舞茸はみじん切りにして、砂糖と塩と一緒に保存袋に入れます。
そこに食べやすい大きさに切った鶏胸肉を一緒に入れてよく揉みこんだ後、一晩冷蔵庫に入れておきます。
塩麴
塩麴にも「プロテアーゼ」という酵素が多く含まれていて、タンパク質を分解してくれるので、鶏胸肉を柔らかくする効果が期待できます。
更に、塩の働きで鶏胸肉の水分を保つ効果もあり、しっとりした食感に仕上がります。
《塩麴を使った漬け込み方法》
- 鶏胸肉:1枚
- 塩麴:大さじ2
鶏胸肉を食べやすい大きさに切り、塩麴を揉みこんで30分ほど漬け込みます。
短時間で鶏胸肉が柔らかくなります。
鶏胸肉を柔らかくする方法【煮る】
鶏胸肉を柔らかく煮る方法は、煮込んでいる時に鶏胸肉が煮汁に浸っている状態を保つことです。
長時間加熱すると固くなってしまうのではないかと思われるでしょうが、煮込むことで鶏胸肉の繊維や筋が切られてしまうので、柔らかな味わいを出すことができます。
その手順は、下記のようになります。
- 鶏胸肉の繊維を切るように、フォークで穴を空けたり、切れ目を入れたりする。
- 煮込む前に表面をさっと焼く。こうすることで、鶏胸肉から水分が流出してしまうのを防げる。
- 鍋に鶏胸肉、酒やしょう油、みりんなどのお好みの調味料を入れる。
- 落し蓋と鍋の蓋をして強火にかけ、沸騰したら弱火から中火にして、常に煮汁がブクブクとして鶏胸肉が煮汁に浸っている状態をキープする。
- 10分経過したらひっくり返して、先ほどのように火加減は弱火から中火で、鶏胸肉が煮汁に浸っている状態をキープして、20分くらい煮たら完成。
実際に、上記の方法で鶏胸肉を煮てみたところ、鶏胸肉は箸で簡単に切れるほど柔らかくなりました。
パサパサ感は多少ありましたが、気にならないほど柔らかくて食べやすかったです。
まとめ
鶏胸肉を柔らかくするのに時短になるのは焼く、茹でる、漬け込む、煮る、のうちどれかなどについてお伝えしました。
鶏胸肉を柔らかくするのに時短になるのは、塩と砂糖で作るブライン液に漬け込む方法が一番おすすめです。
鶏胸肉には、ビタミンやミネラル、タンパク質などの栄養が豊富に含まれていて、免疫力アップ、疲労回復、高血圧・貧血予防、老化防止、美容効果などの多くの健康効果があります。
健康に良いだけでなく、お財布にも優しいので、この記事を参考にご自身にあった方法で、鶏胸肉を積極的に料理に摂り入れてもらい、鶏胸肉の美味しさを味わっていただけたらうれしいです。
コメント