大根は、おでんや煮物、味噌汁やサラダなど、多くの料理に幅広く活躍できる野菜です。
家庭菜園で収穫したり、たくさん頂いた時の大根を保存する際は、土に埋める方法があると聞きますが、土付き大根の保存は難しいのではないかと心配になります。
- 収穫した土付き大根を畑で保存するには、大根を抜いた後に土に埋める方法と大根を抜かずに土を被せる方法があります。
- 屋外で長期保存するには、黒いポリ袋に入れる方法と新聞紙に包む方法があります。
- 大根の冷凍での日持ちは、1か月ほどです。
- 大根の冷蔵での日持ちは、2日~3週間ほどです。大根の大きさによって、日持ちする日数も変わってきます。
それでは、収穫した土付き大根の畑や屋外での長期保存方法、冷凍や冷蔵での日持ちはどれくらいかなどについて、もう少し詳しくご紹介していきます。
この記事を参考にしてもらえれば、思ったよりも土付き大根の保存は難しくないので、多めの土付き大根の保存に悩んだり、処分したりすることなく春先まで保存して美味しくいただけますよ。
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土付き大根の保存方法
土付き大根の長期保存方法として、畑での保存と屋外での保存があります。
畑での保存方法
大根の畑での保存方法として、
- 大根を抜いた後に土に埋める方法
- 大根を抜かずに土を被せる方法
があります。
大根を畑の中で保存する方法
晩秋から初冬にかけて収穫した大根を、畑や庭の隅などで土の中に埋めることで、大根の凍結を防いだり根の水分を保ったりできるので、土付きの大根を長期保存することができます。
この方法で春先(3~4月)まで保存できます。
大根を抜いた後に土に埋める方法
- 大根を収穫して、葉の根元から葉を切り落とす。
- 大根を埋めるために、大根が隠れる程度の深さの穴を掘る(寒冷地の場合は、50~70cmの穴を掘る)。
- 穴の中に大根を縦か斜めに並べる。
- 穴に土を被せる。
大根を土に埋める時には、穴を深めに掘った方が冬の防寒対策にもなります。
大根は畑で縦に育つ野菜ですから、横に寝かせて保存することで自然に起き上がろうとする力が働き、余分なエネルギーを使ってしまうので、水分や糖分が抜けてしまうそうです。
大根を土の中で保存する場合は、できる限り立たせるようにして埋めるとよいでしょう。
直立が難しい場合は、斜めに寝かせるような埋め方で大丈夫です。
葉を切り落とさないで付けたままにしておくと、葉に養分が吸い取られるので、水分が抜けてスカスカになるのが早まってしまいます。
また、大根と大根をくっつけると腐りやすくなるので、10cmくらい間を開けて土を被せます。
大根を埋めた場所に、切った葉や藁などを被せると目印になります。
大根を育てている農家では、大根を長期保存するために土の中に埋めて、春先まで大切に消費します。
大根を抜かずに土を被せる方法
- 大根を抜かずに、大根の首が隠れる葉の根元くらいまで土を被せる。
- 上に藁をかける。
この方法は、霜があまり降らず、冬の気候が温かめな地域でできる方法です。
大根の首まで土で埋めるだけでも保存できますが、さらに上に藁をかけることで霜や防寒対策になります。
この方法で、冬の間(2月くらいまで)は畑の土の中で保存することができます。
春になると、トウ立ちしてしまうのでその前に収穫するとよいでしょう。
屋外での保存方法
畑や庭の隅などで土に中に埋めることができない場合の保存方法として、
- 黒いポリ袋に入れる方法
- 新聞紙に包む方法
があります。
どちらの方法も土がついている状態で保存しますが、それは育った環境の畑から切り離すことで、大根にストレスがかかってしまうことを防ぐためです。
また、大根は葉を残しておくと、葉の部分から水分が抜けていき乾燥してしまうので、葉の部分はカットします。
大根は土の中で縦に成長するので、保存する時にも畑の中に近い状態で保存することで鮮度が保たれ、劣化がしにくいと言われています。
ポリ袋に入れる方法
- 大根の葉の部分をカットする。
- 大きな黒いポリ袋に土を入れ、その中に土付きの大根を入れる
- 屋外の直射日光の当たらない涼しい場所に、立てて保存する。
この方法で、1か月ほど日持ちします。
新聞紙に包む方法
- 大根の葉の部分をカットする。
- 土付きのまま新聞紙に包む。
- 屋外の直射日光の当たらない涼しい場所に、立てて保存する。
この方法で、1ヶ月ほど日持ちします。
大根の冷凍保存での日持ち
大根は冷凍することで、1か月ほど日持ちさせることができます。
冷蔵保存より長く保存したい時には、冷凍保存がおすすめです。
大根の冷凍保存方法
冷凍した大根は、解凍するとシャキッとした食感がなくなってしまうので、素材の食感を楽しむサラダなどには向いていません。
大根を生のままカットして冷凍
- 大根を輪切りや乱切り、イチョウ切りなど調理する形や大きさにカットする。
- 冷凍用保存袋に入れる。
- 金属トレイにのせて、冷凍庫で保存する。
大根は水分が多い野菜のため、冷凍することで水分が膨張し、大根の繊維を壊してしまいます。
冷凍した大根をおでんや煮物にすることで、壊れた繊維の隙間に調味料が入りやすくなり、生の大根を煮込むより味が染み込みやすくなります。
冷凍した大根を解凍する時には、凍ったままの大根を煮汁の中に入れれば大丈夫です。
私が大根の煮物を作る時には、厚さ2cm位の大根を使う場合、先に下茹でしてから煮ます。
凍ったままの大根を使って煮物を作ってみると、大根がとても柔らかく味もよく染みていました。
下茹でする時間を省くことができるので、時短にもなり一石二鳥でした。
大根おろしにして冷凍
大根は大根おろしにして冷凍することで、食感を変えないで保存できます。
- 大根をおろし金でおろす。
- 大根おろしの水気を軽く切る。
- 1回分ずつラップに包む。
- 冷凍用保存袋に入れる。
- 金属トレイにのせて、冷凍庫で保存する。
小分けしておくことで、必要な時に必要な分だけ使えて便利です。
解凍は冷蔵庫で自然解凍か流水解凍するとよいでしょう。
解凍後、大根おろしのまま食べる場合は、冷凍後2週間ほどを目安に食べ切るとよいです。
大根を冷凍する場合は、ジッパー付きの冷凍用保存袋を用意してしっかりと密閉して保存すると、乾燥を防げます。
大根の冷蔵保存での日持ち
大根は冷蔵することで、2日~3週間ほど日持ちさせることができます。
大根を冷蔵保存する場合、大根の大きさによって日持ちする日数も変わってきます。
丸ごと大根を冷蔵する方法
- 大根の葉の部分をカットする。
- 新聞紙で包む。
- 大き目のポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に保存する。
《丸ごと大根を冷蔵する際の注意点》
- 大根の葉を付けたままで保存すると、葉から水分が抜けてしまうので必ず切り落とす。
- 育った環境に近い状態で保存できるように、できる限り立てて保存する。
この方法で保存することで、2~3週間日持ちします。
カットした大根を冷蔵する方法
- 大根の葉の部分をカットする。
- 大根を2~3等分に切る。
- カットした大根全体をラップで包む。
- 大根の頭の方を上にして立て、冷蔵庫の野菜室に保存する。
《カットした大根を冷蔵する際の注意点》
- 大根の葉から水分が抜けて乾燥が進むので、葉は必ずカットする。
- 大根全体から水分が抜けるので、切り口だけでなく大根全体をラップで包む。
- ラップで包んだ大根をうまく立てられない場合は、上部を切り落とした牛乳パックやペットボトルに差し込むと安定して立てられる。
この方法で、10日ほど保存できます。
一口大にカットした大根を冷蔵する方法
- 輪切り、乱切り、いちょう切りなど調理する大きさや形にカットする。
- タッパーまたは保存袋に入れる。
- 野菜室より温度が低い冷蔵庫に入れて保存する。
《一口大にカットした大根を冷蔵する際の注意点》
- 一口大にカットされた大根は傷みやすいので、野菜室より温度が低い冷蔵庫で保存し、早めに食べ切るようにする。
この方法で、2~3日の保存ができます。
大根の常温保存での日持ち
大根は常温で保存することで、1か月ほど日持ちさせることができます。
大丈夫だろうと思い、大根を常温で放置していたところ腐らせてしまったということもあるかと思いますが、丸ごと1本の大根であれば、夏場を除いた涼しい季節であれば、常温保存できます。
丸ごとの大根を常温保存する方法
- 大根の葉の部分をカットする。
- 大根を新聞紙で包む。
- 10℃以下の冷暗所に、立てて保存する。
《丸ごとの大根を常温保存する際の注意点》
- 大根は葉の部分を残しておくと、水分が抜けて乾燥してしまうので、必ずカットする。
- 大根の表面を見て、乾燥していないか確かめる。
- 乾燥してきていたら、早めに食べ切るようにする。
大根を長期保存できるレシピ
大根を長期保存できる
- 煮物
- 漬物
- 干し物
のレシピをお伝えします。
大根を煮物にして保存するレシピ
大根を煮物にして作り置きできるレシピとして、「鶏と大根のにんにく甘辛煮」の作り方を紹介します。
《材料》(2人分)
- 鶏もも肉:1枚
- 大根:250g
- 小松菜:1/3束
- にんにく:4かけ
- サラダ油:大さじ1/2
- 水:2カップ
- 酒:大さじ2
- しょう油:大さじ1と1/2
- 砂糖・みりん:各大さじ1
《作り方》
- 鶏肉は大き目の一口大に切る。
- 大根は1.5cm~2cmの半月切りにする。
- 小松菜は長さ2~3cmに切る。
- 鍋に油を入れて中火で熱し、鶏肉を炒める。
- 鶏肉の色が変わったら、大根、にんにく、材料の水、酒を加えて煮立ててアクを取る。
- しょう油、砂糖、みりんを加えてアルミ箔で落し蓋をして、大根が軟らかくなるまで12~13分煮る。
- 小松菜を加えて混ぜ、しんなりするまで煮れば完成。
「鶏と大根のにんにく甘辛煮」は、保存容器に入れて冷蔵または冷凍保存できます。
冷蔵で5日、冷凍で2~3週間日持ちします。
大根を漬物にして保存するレシピ
大根を漬物にして作り置きできるレシピとして、「大根の味噌漬け」の作り方を紹介します。
《材料》
- 大根:500g(1/2本)
- 味噌:大さじ2.5
- しょう油:大さじ2
《作り方》
- 大根の葉を切って、皮を剥いたら、いちょう切りにする。
- 味噌としょう油を混ぜ合わせて、保存容器または袋に入れて、大根と混ぜる。
- 一晩おくと汁が出るので、汁を取り除いたら完成。出た汁は、味噌汁に使えます。
「大根の味噌漬け」は、冷蔵庫保存で1週間保存できます。
大根を干し物にして保存するレシピ
大根を干して切り干し大根にすると、長期保存ができます。
「切り干し大根」の作り方を紹介します。
《材料》
・大根:1本
《作り方》
- 大根を4~5mm幅に切る(皮は剥いても剥かなくてもどちらでも大丈夫)。
- 更に4~5mm幅の千切りにする。
- ザルに入れて、4~5日天日干しして乾燥させれば完成。
大根を干して「切り干し大根」にすると、6ヶ月ほど保存できます。
《切り干し大根にする時の注意点》
- ザルは、風が当たらない、風通しのよい場所に置く。
- 夜は湿気があるので、屋内にしまう。
- できた切り干し大根は、袋に入れて保存する。
- 保存場所は、冷暗所または冷蔵庫が適している。
- 切り干し大根を料理に使う時には、水で戻す。
- 味噌汁など汁物に使う時には、そのまま入れても大丈夫。
まとめ
収穫した土付き大根の畑や屋外での長期保存方法、冷凍や冷蔵での日持ちはどれくらいかなどについてお伝えしました。
- 収穫した土付き大根を畑で保存するには、大根を抜いた後に土に埋める方法と大根を抜かずに土を被せる方法がある。
- 屋外で長期保存するには、黒いポリ袋に入れる方法と新聞紙に包む方法がある。
- 大根の冷凍での日持ちは、1か月ほど。
- 大根の冷蔵での日持ちは、2日~3週間ほど。大根の大きさによって、日持ちする日数も変わってくる。
大根には整腸効果のある食物繊維が含まれており、腸内環境が整いやすくなります。
また、辛味成分であるイソチオシアネートには、抗酸化作用があるので、癌や動脈硬化を予防する効果が期待できるそうです。
大根の正しい保存方法を知り、大根の量や大きさ、用途などに合わせて適切に保存し、無駄なく使い切るためにこの記事が参考になればうれしいです。
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