鶏肉は、他の肉に比べ比較的安い食材なので、特売していると多めに買い込むこともあるのではないでしょうか。
鶏肉を多めに買った時には、小分けにして冷凍保存することが多いと思いますが、この時に気になるのが賞味期限です。
- 鶏肉を冷凍した時の賞味期限は、形状や部位によっても変わってきますが、2~3週間ほどです。
- 冷凍した鶏肉は、解凍後2日ほど日持ちします。
- 冷凍した鶏肉を解凍する際、冷凍庫から冷蔵庫に移して自然解凍している場合は、再冷凍することができるでしょう。
それでは、冷凍鶏肉の賞味期限はどれくらいか、解凍後は何日くらい持つか、再冷凍はできるかなどについて、もう少し詳しくご紹介していきます。
多めに購入した鶏肉を冷凍保存して置くことが多い方、特売日にたくさん買い込んでストックしたい時や、冷凍鶏肉を解凍し忘れた時など参考になりますので、ぜひチエックしてみてください。
鶏肉を冷凍したら賞味期限はどれくらい?
鶏肉を冷凍した時の賞味期限は、冷凍した鶏肉の形状や部位によっても変わってきますが、2~3週間ほどです。
冷凍した鶏肉の賞味期限
下味をつけてから冷凍した場合は、1ヶ月ほど日持ちします。
また、挽肉の場合は、空気に触れる部分が多いので酸化しやすく、腐敗を起こしやすいので、2週間ほどを目安に使い切るとよいでしょう。
鶏肉の賞味期限と水分量
鶏肉を冷蔵したり冷凍したりすると、肉に含まれる水分(ドリップ)が出るので、それが原因で雑菌が繁殖します。
このドリップに肉の旨味や栄養分が多く含まれているため、ドリップが肉の外に出てしまうと、肉の旨味は落ちます。
鶏肉は水分量が多い上に、サルモネラ菌が繁殖し食中毒を起こしやすいという特徴を持つので、賞味期限が他の肉に比べ短いと言われています。
賞味期限内であっても、できるだけ早めに食べることをおすすめします
解凍後の鶏肉の日持ちは何日?
冷凍した鶏肉の解凍後の日持ちは、5℃以下の冷蔵庫に保存して、2日ほどです。
しかし、冷凍前の鮮度や解凍方法によっても異なりますので、できるだけその日のうちに使い切るのが望ましいです。
チルド室を使う
一般的に冷蔵庫は、0~10℃、チルド室は0~2℃に設定されています。
チルド室でゆっくり解凍して、保存もそのままチルド室ですれば、ドリップも出にくく水分や旨味を保ったまま解凍できるので、雑菌も繁殖しにくいです。
冷凍前の鮮度や解凍方法に注意
鮮度がやや落ちた状態で冷凍した時には、解凍後の傷みも早くなってしまいます。
解凍後2日までは大丈夫と安心しきらずに、食べられるかどうかの判断は、自分の目や鼻で行いましょう。
また、冷凍した鶏肉を電子レンジで解凍した場合は、鶏肉の温度を急に上げているので、できるだけ早く調理した方がよいです。
解凍した鶏肉は再冷凍しても大丈夫?
解凍の際、冷凍庫から冷蔵庫に移して自然解凍している場合は、再冷凍することもできます。
再冷凍するための必要な条件
細菌が繁殖しやすい温度は、5~60℃だそうです。
冷蔵室のドアポケットは10℃近くになりますが、冷蔵室の棚は0~3℃と言われているので、冷蔵庫の棚かチルド室で解凍すれば、再冷凍できるでしょう。
鶏肉を再冷凍する場合は、冷凍庫から冷蔵庫に移して8~24時間ほどかけて(肉の形状や大きさによって異なります)自然解凍します。
その後、調理しやすい大きさに切り、小分けして冷凍保存袋に間隔を空けて平らに並べて冷凍すると、後で使う時に取り出しやすくなります。
流水やレンジでの解凍、または室温での解凍は、細菌が繁殖しやすい環境となり食中毒のリスクが高まりますので、再冷凍することは止めた方がよいです。
流水やレンジ、室温で解凍した場合は、鶏肉をしっかり加熱調理することで食中毒の心配はなくなりますので、再冷凍したい場合は、加熱調理後に再冷凍するとよいでしょう。
鶏肉を再冷凍する場合の問題点
解凍した鶏肉を再冷凍すると、肉の組織が壊れ、解凍時に出るドリップの量も多くなります。
従って旨味が損なわれ、品質も劣化します。
また、冷凍していた鶏肉を解凍し再度冷凍することによる温度変化で、菌が繁殖し食中毒を起こしてしまう恐れもあります。
できれば、再冷凍しなくて済むように、一度解凍した鶏肉は使い切るようにした方が安心です。
冷凍鶏肉の解凍方法
冷凍した鶏肉の解凍方法として、
- 冷蔵庫に入れる
- 電子レンジを使う
- 鍋を使う、
- 氷水につける
- 流水
この5つをお伝えします。
鶏肉を冷凍した後、解凍することで、鶏肉の組織が変わって分離した水分がドリップとして外に出ます。
ドリップには鶏肉の旨味成分が含まれているので、ドリップをどれだけ抑えられるかがポイントになります。
冷蔵庫に入れる
ドリップを抑えるのに最も適しているのが、冷蔵庫で自然解凍する方法です。
《解凍方法》
- ラップに包んだ鶏肉を、トレイやバットに乗せる(解凍の際に出る結露による水滴が、他の食材についてしまうことを防ぐため)
- 冷蔵庫の下段の手前、またはチルド室に入れる
《メリット》
- ドリップが出にくいので、品質が落ちず美味しく調理できる
- 安全な解凍方法で、細菌が繁殖しにくい
《デメリット》
- 時間がかかる
解凍に時間がかかるので、ブロック肉などを夕食に使いたい時には、午前中から冷蔵庫に入れるとよいでしょう。
内部がまだ少し凍っている半解凍の状態にすると、調理しやすいです。
電子レンジを使う
短時間で手軽に解凍できるので、急ぎで調理したい時に便利な方法です。
《解凍方法》
- ペーパータオルを敷いた耐熱皿に冷凍鶏肉を置く
- 電子レンジの解凍モードや低いワット数(100~200W)で1分温める
- 解凍具合を見て、加熱ムラを防ぐために途中で鶏肉の上下を返しながら、1分ずつ追加加熱する
《メリット》
- 短時間で解凍できる
《デメリット》
- ワット数や加熱時間を誤ると、細菌の繁殖に繋がる
- ドリップが出やすくなるため、鶏肉の品質が劣化してしまう
ペーパータオルを敷くことで、解凍時に出たドリップを吸い取り、ドリップによる臭みを抑えられます。
鍋を使う
鍋を火にかけないで、鍋の伝導率の高さを利用した方法です。
《解凍方法》
- 鍋の中に、3cmほどの水を入れる
- もう一つの鍋をひっくり返し、その上に、ラップで包んだ冷凍鶏肉、水を入れた鍋の順に置く
- 冷凍鶏肉は途中でひっくり返す
鍋はアルミの鍋の伝導率が一番良いのですが、ステンレスや鉄製の鍋でも代用できます。
またバットやフライパンでも大丈夫です。
鍋が接地する面積が大きいほど熱が伝わりやすいので、鶏肉を冷凍する時に平らになるように意識するとよいでしょう。
《メリット》
- 熱が通ってしまうこともなく、ムラなく解凍できる
- 時短で解凍できる
《デメリット》
- 室温で解凍時間が変わる
- 室温が高くなる夏場は不向き
私も実際にこの方法で解凍してみて、冷凍した鶏もも肉350gが40分ほどで、鶏ひき肉180gが30分ほどで半解凍状態になりました。
鍋の種類や鶏肉の厚み、鍋と鶏肉との接地面積、気温などによっても解凍時間が変わるので、様子を見ながら行うとよいでしょう。
氷水につける
温度を急に上げないので、ドリップも出にくく旨味成分を保ったまま解凍できる方法です。
《解凍方法》
- 鶏肉を保存袋に入れて密閉する
- 鶏肉が入った袋を、大き目なボールに入れる
- 袋がしっかり浸かるように氷水を入れる
- 氷水を30分おきに入れ替える
*鶏肉が水に浮いてしまう時には、お皿や水を入れたペットボトルなど重しになるものを乗せるとよいでしょう。
《メリット》
- 低温で解凍できるのでドリップが少ない
- 冷蔵庫での自然解凍より早く解凍できる
《デメリット》
- 氷が解けるたびに、氷を入れる手間がかかる
- 季節により水の温度が変わるので、解凍時間に差が出る
解凍時間の目安は、鶏肉450gで1時間ほどですが、塊肉の場合は、3時間以上かかることもあるそうです。
流水で解凍する
水は伝導率が高いので、冷蔵庫に入れる解凍よりも早く解凍できる方法です。
《解凍方法》
- 鶏肉を保存袋に入れて密閉する
- 鶏肉が入った袋を大き目なボールに入れて、一定量の水を流し続ける
袋全体が流水に浸かるように、お皿や水を入れたペットボトルなど重しになるものを乗せるとよいでしょう。
《メリット》
- 短時間で解凍できる
《デメリット》
- 流水を使うので、水道代がかかってしまう
- 季節により水の温度が変わるので、解凍時間に差が出る
解凍時間の目安は、鶏肉100gで5~7分ほどです。
避けたい解凍方法
できれば避けたい冷凍鶏肉の解凍方法は、常温解凍です。
冷蔵庫での自然解凍よりも時短で解凍できるので、つい常温で放置しても大丈夫だろうとやってしまいがちです。
しかし、冷凍鶏肉と室温の温度差が大きいため、鶏肉の組織が変わりドリップが多くなり、細菌が繁殖する可能性も増します。
食中毒の原因にもなりますので、常温での解凍はおすすめできません。
冷凍鶏肉はそのまま調理できる?
冷凍鶏肉をそのまま調理しても大丈夫です。
冷凍鶏肉の調理方法によって違いがありますので、
- 焼く場合
- 煮物や鍋料理の場合
- 揚げ物
それぞれの場合についてお伝えします。
冷凍鶏肉を焼く場合
冷凍鶏肉をそのまま焼くことで、ドリップが逃げずに旨味を閉じ込めてくれるので、ジューシーな仕上がりになります。
しかし、冷凍鶏肉をそのまま焼くことで、肉が固くなってしまったり、焼きムラができてしまったりして美味しく仕上がらない場合もあります。
厚みのある冷凍鶏肉を焼く方法
- フライパンで両面をしっかり焼いて、焦げ目をつける
- フライパンに蓋をして、2分ほど蒸し焼きにする
- 火を止めたら5分ほどそのまま置く
鶏肉は牛肉と違い、中までしっかり火を通さないと食中毒の心配があるので、冷蔵庫でしっかり解凍してから、上記の方法で焼くようにすると安心でしょう。
冷凍鶏肉を煮物や鍋料理にする場合
冷凍鶏肉を煮物や鍋料理などで長く加熱する場合は、ドリップを防ぐことができ、旨味も損なわずパサつきの少ない仕上がりになります。
美味しく仕上げるコツは、2つあります。
- 煮汁や鍋つゆをしっかり煮立たせてから冷凍鶏肉を入れる
- 冷凍のまま鶏肉を炒めて、鶏肉の表面の色が変わってから煮る
冷たい煮汁や鍋つゆに冷凍鶏肉を入れてしまうと、温まっていく過程でドリップが出てしまうため、鶏肉の臭みが汁に溶け出して美味しく仕上がらなくなります。
揚げ物の場合
揚げ物に冷凍鶏肉を使う場合は、中までしっかり火が通っているかどうか注意が必要です。
下味付き冷凍鶏肉を使用
一度解凍してキッチンペーパーで鶏肉から出たドリップを拭き取った後、片栗粉や小麦粉をまぶして揚げます。
下味なしの冷凍鶏肉を使用
一度解凍してキッチンペーパーで鶏肉から出たドリップを拭き取った後、しょう油やにんにくなどで下味を付けて、片栗粉や小麦粉をまぶして揚げます。
肉がすっぽりと隠れるくらいたっぷりの油で揚げるようにして、油の温度が下がらないように、少量ずつ揚げると、カラっと仕上げることができます。
鶏肉が冷たくて火の通りに時間がかかる場合は、油の温度をやや低めにして長めに揚げるとよいでしょう。
まとめ
冷凍鶏肉の賞味期限はどれくらいか、解凍後は何日持つか、再冷凍はできるか、などについてお伝えしました。
- 鶏肉を冷凍した時の賞味期限は、2~3週間ほど(形状や部位によっても変わる)
- 冷凍した鶏肉の解凍後の日持ちは、2日ほど
- 冷凍した鶏肉を解凍する際、冷凍庫から冷蔵庫に移して自然解凍している場合は、再冷凍することができる
鶏肉には、健康を維持する上で欠かせないたんぱく質が豊富に含まれています。
毎日欠かさずに摂取したい栄養素の一つです。
この記事を参考に、冷凍鶏肉の賞味期限や解凍方法を知って、美味しく安全に食べて、日々の活力にしてもらえたらうれしいです。
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