菊芋は、健康食品などの原料として各地で栽培されていますが、食材としてはマイナーな存在と言えるので、スーパーなどで見かけることは少ないでしょう。
最近では美容と健康によいということで、注目を集め始めています。
しかし、菊芋を食べて下痢をしてしまったなどという話を聞くと、食べ過ぎは良くないのだろうかと心配になります。
- 菊芋を食べ過ぎないように注意することは、必要である
- 菊芋を食べ過ぎると、副作用として腹痛や下痢、アレルギー症状などが出ることがある
- 菊芋の効果的な食べ方として、皮ごと食べる、生で食べる、炒め物にする、粉末を利用するなどがある
それでは、菊芋の食べ過ぎは注意が必要か、副作用や効果的な食べ方はあるかなどについて、もう少し詳しくご紹介していきます。
最近スーパーフードとしてひそかにブームになっている菊芋について、どんな食べ物か知りたい方、糖尿病や便秘でお悩みの方、必見です。
菊芋の食べ過ぎによる副作用は?
菊芋を食べ過ぎると、豊富に含まれる水溶性食物繊維「イヌリン」の影響で、腹痛や下痢、アレルギー症状など副作用が心配されます。
腹痛や下痢が起きる
菊芋は、栄養成分イヌリンの含有量が他の野菜と比べても多く、食べ過ぎると腹痛や下痢などが起きる可能性があります。
イヌリンは腸で発酵し、腸内細菌によって分解されて、オリゴ糖に変わります。
オリゴ糖は、腸内のビフィズス菌を増やし、お腹の調子を整える効果がありますが、摂取し過ぎると下痢やお腹の張りなどの症状を引き起こすことがあります。
特に胃腸が弱い人は、過剰摂取することで症状が悪くなることがありますので、食べ過ぎには注意した方がよいでしょう。
アレルギー症状が出る
菊芋はキク科の野菜ですので、キク科アレルギーの人は特に注意が必要です。
食物アレルギーの人が食べると、口の中やのどのかゆみ・腫れだけでなく、花粉症が悪化することもあると言われています。
また酷い場合は、呼吸困難や意識障害なども見られるアナフィラキシーショックを起こすこともあるそうです。
イヌリンによるアレルギーは、件数的には多くないようですが、起きた場合は重症化する恐れもあると言われています。
アレルギーには個人差がありますので、食べる場合には、様子を見ながら少しずつ食べてみてください。
心配な方は、菊芋を食べることは避けるようにするとよいでしょう。
菊芋の適量はどれくらい?
一般的な方と糖尿病などが心配な方とに分けて、菊芋の適量についてお伝えします。
一般的な方の場合
菊芋1個50gと仮定して、1日1個食べても食物繊維の摂り過ぎにはならないでしょう。
イヌリンはゴボウ、玉ねぎ、ニンニク、菊芋などに含まれている水溶性食物繊維の一種です。
水溶性食物繊維は人間の胃や腸で消化・吸収されにくいのが特徴で、中でもイヌリンは体内でゲル状に形を変え、大腸まで届くと言われています。
ドロドロのゲルが、腸内の不要な物を包んで腸を進んでいき、掃除してくれます。
そんなスーパーフードの菊芋ですが、先にも述べた通り、食べ過ぎると副作用が心配されます。
厚生労働省の「食事摂取基準(2020年度)」では、
食物繊維の1日あたりの目標摂取量は、18~64歳までの成人女性では18g以上、同じく成人男性では21g以上
引用元:「食事摂取基準(2020年度)」
と定められています。
菊芋には、食物繊維が100gあたり1.9g含まれていますので、菊芋1個50gと仮定して、1日1個食べても食物繊維の摂り過ぎにはならないでしょう。
※文部科学省「第2章 日本食品標準成分表」参照
しかし、個人差がありますので、まずは1日20~30gを数日摂取することから始めてみて、徐々に自分自身にあった量にしていくことをおすすめします。
私は胃腸が弱い方ですが、1日約30gの菊芋を数日間食べても、特に不調になることはありませんでした。
糖尿病などが心配な方の場合
菊芋に含まれるイヌリンは、「天然のインスリン」とも呼ばれており、血糖値が高い方は、1日100g食べるとよいとも言われています。
イヌリンは、菊芋の生では15%ほどですが、乾燥粉末にすると約6割を占めるそうです。
先にも述べましたように、胃腸でゲル状になり、不要な物を包みながら腸を進んで掃除してくれるので、糖の吸収を抑えてくれます。
血糖値の急上昇を防いでくれるので、糖尿病の予防に役立つと注目されています。
しかし、菊芋を食べることで必ず血糖値が下がり、糖尿病が治るということではなく、食物繊維の効果と同じで、血糖値の上昇を抑える、今より悪化させないなどの働きが期待できると考えればよいでしょう。
菊芋の効果的な食べ方とは?

菊芋 食べ過ぎ
菊芋の効果的な食べ方として、
- 皮ごと食べる
- 生で食べる
- 炒め物にする
- 粉末を利用する
などについてお伝えします。
皮ごと食べる
皮を剥かずに食べることに抵抗があるかもしれませんが、皮を剥かずに生で食べても加熱して食べても、どちらも皮があることを意識しないで食べられます。
菊芋の主な成分であるイヌリンには大差はないものの、ポリフェノールの成分量が実より皮の方が4~5倍多く含まれているそうです。
また、抗酸化性では、皮の方が8~14倍も多く確認されています。
体の調子を良くしてくれる作用が、皮により多く含まれているということが言えるでしょう。
生で食べる
イヌリンは水溶性なので、加熱調理すると茹で汁の中に溶け出しやすいため、生で食べた方がより効率よく摂取できます。
スライスした生の菊芋をごま油と塩コショウで和えるだけで、美味しく食べられます。
クセがなくシャキシャキした食感を生かして食べるなら、千切りや輪切りにしてサラダのトッピングにすると、ほんのりとした甘さも感じられるのでおすすめです。
茹でたり煮たりする調理をした時には、汁まで摂るとよいでしょう。
炒め物にする
加熱によるイヌリンの変化はあまり見られないようですが、加熱することでポリフェノールが増えるそうです。
炒め物にする時にも、皮を剥かずに調理するのがポイントです。
人参と合わせてきんぴらにすると、彩りもきれいですし、菊芋にはほとんど含まれないβ-カロテンも摂ることができます。
粉末を利用する
粉末やパウダー状になったものならば保存もできます。
どんな野菜も、数日食べて体に良い作用をもたらすものはありません。
長く食べ続けることで菊芋の恩恵を得て、体の調子が良くなると言われています。
しかし、菊芋の旬は、11月~3月です。
また、生産者も少なくスーパーなどではあまり見かけません。
菊芋が手に入った時にご自分で粉末にしても良いですが、粉末状の菊芋が通販などで販売されているので、そこで手に入れることもできます。
粉末になっている物は、見た目も味もきな粉に近く、食べ物との相性も良いので、摂り入れるのも簡単です。
お茶として飲んだり、ヨーグルトやグラノーラに入れたり、スムージーなどの飲み物に入れたり、味噌汁やスープに入れたりすることもできます。
また、お米に入れて炊いたり、パンケーキやクッキーを作る時に混ぜたりするなど幅広く使えます。
継続して菊芋を食べようと考えているならば、粉末タイプもおすすめです。
菊芋を食べるタイミングとして、菊芋を食事の初めに食べた時と食事の途中で食べた時では、食事の初めに食べた方が血糖値の上昇が緩やかになると言われています。
糖質が気になる方は、菊芋を食事の初めに食べることを実践してみるとよいでしょう。
まとめ
菊芋の食べ過ぎは注意が必要か、副作用や効果的な食べ方はあるかなどについてお伝えしました。
- 菊芋を食べる時には、食べ過ぎないように注意することが必要
- 菊芋を食べ過ぎると、イヌリンの影響で、腹痛や下痢が起きる、アレルギー症状が出るなどの副作用が心配される
- 菊芋の効果的な食べ方として、皮ごと食べる、生で食べる、炒め物にする、粉末を利用するなどがある
腸内環境を正常化してくれ、血糖値・中性脂肪・血圧を下げるなど健康効果に優れていると言われている上に、しみ・しわを防いだり、ダイエットにも向いていたりなど美容効果も期待できそうです。
日々の努力に、本記事を参考に体に良い菊芋をプラスして、イヌリンやポリフェノールを効果的に摂り入れて、健康維持やダイエットに役立ててもらえたらうれしいです。
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