納豆は、日本の食卓には欠かせない存在とも言える食品です。
しかし、買ってきた納豆を冷蔵庫に入れるのを、ついうっかり忘れて常温で置いてしまった、という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
- 常温で3日放置した納豆は、室温が10℃以下の涼しい場所に置いたのであれば、食べられる場合もあります。
- 納豆の保存は冷蔵庫が一番おすすめです。納豆のパックに記載してある賞味期限は、冷蔵庫に保存したことを基準とした期限です。
- 室温を10℃以下に保つのは難しいと思われるので、納豆の常温保存はおすすめできません。
それでは、納豆を常温で3日放置したけど食べられるか、納豆の保存は冷蔵庫がよいかそれとも常温でも大丈夫なのかについて、もう少し詳しくご紹介していきます。
冷蔵庫に入れ忘れた納豆を処分したことがある方、この記事を参考にしてもらえれば、今話題になっている食品ロスを減らすこともできますよ。
常温に放置した納豆は食べられる?
常温に置いままの納豆は、室温10℃以下の涼しい場所に置いたのであれば、食べられる場合もあります。
納豆に適した温度
一概に常温と言っても季節によって様々ですが、納豆の保存に適した温度は、10℃以下とされています。
なので10℃以下の常温であれば、冷蔵しなくても保存が可能と言えるでしょう。
冷蔵庫で保存した場合の賞味期限は1週間と言われていますので、仮に条件が満たされて環境が整った場合でも、常温での保存はそれより短くなり4日くらいと考えたほうがいいでしょう。
納豆は出荷の際、温度管理されていて、10℃を上回ると再発酵してしまう可能性が高いので、常温10℃以下というのが譲ることのできない条件になるわけです。
冬場ならば可能な場合もあるでしょうが、現実的に考えて常温10℃以下をずっと保ち続けるのは難しいと思われるので、常温で保存することはおすすめできません。
納豆を10℃以上の常温に置いた場合
納豆は10℃以上の常温に置いておくことで発酵が進んでしまい、アンモニア臭が強くなります。
この時点では、食べられないわけではありませんが、ネバネバが薄れ、食感も落ちて美味しくないと感じるようになるでしょう。
更に常温で放置すると、雑菌が増えてしまい発酵ではなく腐敗することになるため、常温保存は危険なので避けた方がよいです。
常温放置で条件が良くないと、2~3時間で腐ってしまうこともあるので注意が必要です。
納豆の保存方法
納豆の保存方法で各メーカーが推奨しているのは、冷蔵庫での保存です。
長めに保存したい場合は、冷凍庫で保存することもできます。
納豆の冷蔵保存
我が家で購入した納豆のパックには、保存方法として「冷蔵(10℃以下)にて保存してください。」と記載されていました。
納豆を冷蔵庫で保存する場合は、パックのまま、または、清潔な密閉できる容器に移して保存します。
納豆は要冷蔵(10℃以下)のため、購入したパックのまま保存するのが一般的ですが、わら納豆の中には、わらのまま保存すると旨味が低下してしまうことがあるので、密閉容器に移し替えて冷蔵庫で保存するように記載されているものもあるそうです。
納豆を冷蔵庫で保存した場合の日持ちは、1週間ほどです。
納豆の冷凍保存
ちょっと意外に感じる方もいらっしゃるでしょうが、納豆は冷凍保存ができる食材ですので、長く保存したい場合には、冷凍庫で保存することで菌の活性や発酵を止めることができます。
納豆菌は、低温になると休眠状態になるので、冷凍しても死滅することはありません。
冷凍保存の方法
冷凍した納豆を美味しく食べることができる保存方法をお伝えします。
- 納豆をパックから取り出し、ラップで包んで空気を抜く
- 密閉容器や冷凍用保存袋に入れた後、金属トレイに乗せて冷凍庫で保存する
納豆を冷凍保存する時、しっかり空気を抜いて密閉することで美味しく食べられます。
納豆を冷凍した場合の日持ちは、1か月ほどです。
風味が落ちても気にならない場合は、3~6ヶ月くらい冷凍保存が可能だという意見もありますが、自己責任でお願いします。
納豆が入ったパックのまま冷凍することもできますが、乾燥したり冷凍焼けや臭い移りをしたりする心配があるので、早めに食べ切るとよいでしょう。
パックから納豆を取り出すのは手間がかかるという場合は、パックをラップで包んだ後、冷凍用保存袋に入れて冷凍することもできます。
冷凍した納豆の解凍方法
冷凍した納豆の解凍は、前日に冷蔵庫に移して6~8時間くらいかけて、じっくり自然解凍するとよいでしょう。
電子レンジで解凍すると納豆の水分が出て品質が悪くなり、ナットウキナーゼという酵素が加熱で壊れてしまうので、おすすめしません。
急いで食べたい時には20秒ほど電子レンジで加熱し、その後は自然解凍するとよいでしょう。
納豆は腐るとどうなる?
腐った納豆は、見た目、臭い、味で見分けることができます。
納豆に雑菌が繁殖して腐ってしまい、食べられなくなった時の見分け方をお伝えします。
納豆が腐った時の状態
見た目
- 混ぜた時、糸を引かない
- 豆が変色して黒ずんでいる
- 水っぽかったりドロドロしたりしている
- カビが生えている
臭い
- アンモニア臭や焦げたような強い臭いがする
味
- 苦味を感じるなど違和感のある味がする
このような状態が見られる納豆は、発酵ではなく腐っていると考えられるので、食べるのを止めて処分しましょう。
効果的に納豆の栄養素を摂る方法
納豆には、健康な身体を作る上で必要な5大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル)が含まれおり、更に食物繊維も豊富です。
納豆を腐らせることなく美味しく食べて、栄養素を効果的に摂るために抑えておきたいことをお伝えします。
賞味期限間際まで発酵させる
納豆は購入後も、発酵を続けている食品ですので、賞味期限ぎりぎりまで発酵させておくことで、ナットウキナーゼやビタミンK2などの栄養価がアップすると言われています。
食べる直前に常温に戻す
食べる前に、納豆の発酵が進み過ぎない程度に常温に置いておくと、納豆菌が増殖するので栄養素を効果的に摂取できます。
私は、食べる20分ほど前に冷蔵庫から出して、テーブルの上に置いておきます。
そうすることで、栄養素を残さずいただいている気持ちになります。
熱を加えない
納豆に含まれるナットウキナーゼという酵素は、熱に弱いので70℃以上になると死滅してしまいます。
納豆を加熱調理したり、熱々のご飯にのせたりするのはおすすめしません。
50℃を超えるとナットウキナーゼの活性が弱まってしまうので、栄養効果を活用するためには、ご飯を人肌くらいに冷ましてからのせて食べるとよいでしょう。
納豆を食べる効果的な時間
納豆を夜に食べる
成長ホルモンが多く分泌される夜に納豆を食べることで、栄養素がより効果を発揮してくれます。
特に血栓を溶かす作用があるナットウキナーゼは、食後4~8時間の間に効果を発揮すると言われています。
血栓症が起こりやすい就寝中に効果を発揮してもらえるように、納豆を夜に食べるとよいでしょう。
納豆を朝に食べる
納豆には良質なたんぱく質が含まれているため、朝食べることで、冷え性を予防する効果があるそうです。
冬場だけでなく、夏場でもクーラーが効いた部屋では冷えやすいので、冷え性が気になる人は朝食べるのもよいでしょう。
また、納豆には食物繊維や乳酸菌が含まれているので、朝食べることで腸内環境を整えてくれるという効果も期待できそうです。
私は、納豆の効果を期待して朝にも夜にも食べたいのですが、私のように納豆の栄養価に期待して、また納豆の味が好みで、納豆をたくさん食べたいという人もいるのではないでしょうか。
毎日食べ続けたい場合、1日2パック(100g相当)までならば食べ過ぎにならないようです。
まとめ
納豆を常温で3日放置したけれど食べられるか、納豆の保存は冷蔵庫がよいか、それとも常温でも大丈夫なのかについて、お伝えしました。
- 常温で3日放置した納豆は、室温が10℃以下の涼しい場所に置いたのであれば、食べられる場合がある。
- 納豆の保存方法で各メーカーが推奨しているのは、冷蔵庫での保存。
- 10℃以下の常温であれば、冷蔵しなくても保存が可能と言える。
- 常温で10℃以下をずっと保ち続けるのは難しいと思われるので、納豆を常温で保存することはおすすめできない。
納豆は、ジャパニーズスーパーフードにも分類され、インフルエンザやアンチエイジングにも効果があると言われています。
近年、健康志向の人が増加したことに加え、コロナ禍での家庭内需要が増え、納豆の需要も高まっているそうです。
この記事を参考に納豆を上手に保存して、納豆の栄養を効果的に摂取してもらえたらうれしいです。
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