さくらんぼは、甘酸っぱくてジューシーで小さくて可愛らしい果物です。
以前より価格が落ち着いて手に入りやすくなりましたが、まだまだ高めなため、大事に少しずつ食べていたところ、気づいたらカビが生えてきたということもあるでしょう。
- さくらんぼなどの果物に生えるカビは、人体に悪い影響を及ぼすものは少ないと言われています
- 食べたカビが少量ならば、胃酸で死滅するそうです
- さくらんぼがカビると、腐って茶色く変色します
それでは、さくらんぼのカビを食べてしまっても大丈夫か、カビるとどうなるか、などについてもう少し詳しくご紹介していきます。
さくらんぼが美味しく食べられる期間は、比較的短いです。
保存方法によっても違うさくらんぼの賞味期限を知って、安心して食べられるようにこの記事を参考にしてください。
さくらんぼのカビを食べてしまったけど大丈夫?
さくらんぼなどの果物に生えるカビは、人体に悪い影響を及ぼすものは少ないと言われています。
食べたカビが少量ならば、胃酸で死滅するそうです。
カビを食べたらどうなる?
食べたカビが少量ならば人間の胃酸は強力なので、胃酸で死滅しますが、食べ物にカビが生える環境は、衛生上問題があると言えます。
カビを食べた後に、腹痛、下痢、嘔吐、発熱などの症状が出た場合、カビが生える環境で保管されていたために、カビ以外の細菌などが原因で食中毒を起こしたと考えられます。
カビを取れば食べられる?
カビが生えていた部分を取り除いて他の部分を食べるのは、良くありません。
一度カビが生えた食品には、肉眼では確認できなくてもカビ菌が付いた菌糸が残っていて、全体に広がっている可能性があるからです。
食品内部の菌糸はカビの根ですから、成長して伸び続け、数センチも菌糸が伸びているものも多いそうです。
購入したさくらんぼのパックを開けたら、カビが生えているさくらんぼが入っていたという場合は、周りのさくらんぼをよく見て、水が出て柔らかくなっていたり、カビが生えていたりしていなければ食べることができるでしょう。
なぜカビを食べてはいけない?
カビの中には、人や動物に有害な「カビ毒」を出すカビがあります。
ダイオキシンの10倍もの毒性があると言われているものもあるそうです。
この「カビ毒」を食べると、消化管出血や潰瘍を引き起こすこともあります。
カビは数百種類もあると言われており、食品に生えるカビは環境によって異なりますので、「カビ毒」が出ているかどうかは分かりません。
また、加熱することでカビや細菌は取れても、「カビ毒」は完全に分解することができずに残るので、毒性は消えません。
さくらんぼがどの菌に感染したかはわからないので、運悪く毒性の強い菌に感染したさくらんぼに当たってしまい、体に悪い影響が出ることも考えられるので、もったいないからと食べるのは止めた方がよいでしょう。
カビを食べた時の対処法
先ほど食べてしまったカビは胃酸で死滅すると述べた通り、カビに対しては特に対処しなければならないことはありません。
しかし、食品にカビが生えているところに置かれていると、細菌やウイルスで汚染されて腐りかけていることが多いので、怖いのはカビではなく食中毒菌です。
例えば、黄色ブドウ球菌やノロウイルスなどは食中毒の代表的な原因で、カビが付いた食品を食べた時は、腹痛や吐き気などの症状が出ないか、数日様子を見ましょう。
万一そのような症状が出たならば、細菌やウイルスなどの体内毒を体外に排出するために、水やスポーツドリンクなどで水分を補給しましょう。
それでも症状が良くならない場合は、受診をおすすめします。
このようなことを考えると、カビが生えたさくらんぼを口にすることは止めた方がよいでしょう。
私はさくらんぼのカビを食べたことはありませんが、さつまいもに生えたカビを誤って食べたことがあります。
一口目を食べて「ちょっと変かな?」と一瞬思ったのですが、そのまま食べてしまいました。
二口目を口に入れてみて、明らかにおかしな味がしたので、食べるのを止めました。
幸いその当日も翌日も、体調には変化はなかったのでよかったです。
運よくカビだけがついていて大丈夫だった場合でも、継続的に食べてしまうと健康被害が出る可能性もありますので、注意が必要だと思います。
さくらんぼはカビるとどうなる?
腐ったさくらんぼは、
- 変色
- 汁が出る
- カビ臭いにおいがする
- 舌がピリピリする
- 柔らかくなる
などの変化が見られます。
お米に麹(カビの一種)を生やしてお酒を造ることもカビが生えることですが、腐るとは言わないことからも分かるように、腐るというのは、食べ物が細菌やカビによって、人間に都合が悪い状態になることを言います。
カビ菌が付着した後、増殖し全体を変化させたのが、腐った状態です。
さくらんぼがカビて腐るとどうなる?
見た目
- 白っぽくまたは黒っぽく変色する
- 汁が出てじゅくじゅくする
- 白いふわふわした綿状のものが付いている
臭い
- 酸っぱいような臭いがする
- カビ臭いにおいがする
味
- 舌にピリピリするような刺激を感じる
感触
- 触ると柔らかくなっている
さくらんぼが食べられるかどうかの見分け方
さくらんぼがカビたり腐ったりしていて、食べられないのか、まだ食べられるのかを見分けるポイントをお伝えします。
接触箇所が柔らかい
さくらんぼは接触に弱いので、パックの中に詰められていると傷みやすくなります。
さくらんぼ同士の接触箇所は柔らかくなっていても、カビが生えたりカビ臭くなったりしていなければ、まだ食べることができます。
ヘタが枯れて変色している
さくらんぼの実が変色していなければ、ヘタが枯れて変色していてもまだ食べることができます。
同じパックの中にカビたさくらんぼがある
パックの中にカビたさくらんぼや腐ったさくらんぼがあっても、隣り合っているさくらんぼに移っていなければ、良く洗って食べることができます。
さくらんぼの賞味期限
さくらんぼの保存は、冷蔵保存、冷凍保存、常温保存があります。
それぞれの賞味期限についてお伝えします。
さくらんぼの冷蔵保存での賞味期限
冷蔵庫の野菜室で保存した場合の賞味期限は、2~3日ほどです。
しかし、さくらんぼを冷蔵保存する時にちょっとした工夫をすると、7~10日間日持ちさせることができます。
お取り寄せしたさくらんぼがクール便で届いた場合は、さくらんぼは急激な温度変化を嫌うので、冷蔵庫の野菜室で保存するとよいでしょう。
その方法は、
- さくらんぼは洗わない
- ヘタを下にしてアルミホイルで包む(さくらんぼ同士が接触しないようにする)
- 冷蔵庫の野菜室で保存する
購入したままでは、さくらんぼが接触して傷んでしまうので、すぐに食べない場合は上記のように保存すると長く日持ちさせることができます。
さくらんぼの冷凍保存での賞味期限
冷凍庫で保存した場合の賞味期限は、1~2ヶ月ほどです。
たくさんのさくらんぼが手に入り、数日中に食べ切れない場合は、食べ切れない分を冷凍保存するとよいでしょう。
その方法は、
- ヘタを取ってから洗って、水気を良く拭く
- 2~3個ずつラップに包んでから、冷凍用保存袋に入れる
- 金属トレーに乗せて冷凍庫に入れる
さくらんぼを冷凍すると、鮮度や甘味を保ちながら保存できるので、シャーベットのような食感が楽しめます。
またジャムやジュースなどにアレンジすることもできます。
さくらんぼの常温保存での賞味期限
常温で保存した場合の賞味期限は、1~2日ほどです。
お取り寄せしたさくらんぼが常温便で届いた場合は、さくらんぼは温度変化の影響を受けて劣化しやすいので、配達された時の温度に合わせて常温で保存するとよいでしょう。
その方法は、
- 乾燥を防ぐために、新聞紙やクッキングペーパーなどで覆う
- 風通しの良い冷暗所で保存する
その際、ザルに乗せて保存すると、風通しが良くなります。
まとめ
さくらんぼのカビを食べてしまっても大丈夫か、カビるとどうなるかなどについて、お伝えしました。
- さくらんぼなどの果物に生えるカビは、人体に悪い影響を及ぼすものは少ない
- 食べたカビが少量ならば、胃酸で死滅する
- さくらんぼは、カビると腐る
- カビて腐ったさくらんぼは、変色する、汁が出る、カビ臭いにおいがする、舌がピリピリする、柔らかくなるなどの変化が見られる
赤い宝石とも呼ばれるさくらんぼは、旬の時期も、美味しく食べられる期間も短いです。
さくらんぼが手に入ったら、早めに食べる、食べ切らない場合は冷凍するなど美味しく食べられるように工夫して、旬のさくらんぼを味わってもらえるのが一番です。
しかし、万一さくらんぼのカビを食べてしまった時や、たくさんのさくらんぼが手に入った時には、この記事を参考にしていただき、今後の対策に役立ててもらえたらうれしいです。
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