別名「森のバター」といわれるアボカドは、トロリとしたクリーミーな果肉が魅力的で、しかもビタミンなどの美容効果のある栄養が含まれているので、人気は年々高まっています。
しかし、大きな種は捨てている方がほとんどだと思いますが、アボカドの種は食べることができます。
アボカドの種には、アボカドの栄養素の70%程が蓄えられているそうですので、捨ててはもったいないです。
そんなアボカドの種には毒はありますが、人間にはほとんど無害だと言われています。
天然ゴムアレルギーのある方が食べると、アレルギー症状を起こす危険性があるので注意が必要です。
アボカドの種の食べ方は、アボカドの種茶、スムージー、ふりかけ、チップスなどがあります。
アボカドの種の上下の見分け方は、少し尖っている部分が上部で芽が出てくる方、丸みを帯びているのは下部で根が出てくる方です。
それでは、アボカドの種は食べられるか、毒があるって本当なのか、食べ方や上下の見分け方などについて、もう少し詳しくご紹介していきます。
「えっ、アボカドの種って食べられるの?」と思った方、健康面でのメリットも満載ですので、ぜひ目を通してみてください。
アボカドの種は食べられる?
結論から申しますと、アボカドの種は食べられます。
「アボカドの種を食べる」などと考えたこともなく、捨てていた方も多いのではないでしょうか?
アボカドを調理して残った大きな種は、捨ててはもったいないです。
アボカドの種には、抗酸化物質や水溶性食物繊維が豊富に含まれていて、アボカドの栄養素の70%程が蓄えられているそうです。
最近はダイエットにも効果があると言われています。
アボカドの種には毒がある?
アボカドには「ペルシン」という殺菌作用のある毒が含まれていますので、それが中毒を起こす原因だといわれています。
人間への影響
アボカドの種を食べても、人間には無害です。
人間の体には、「ペルシン」の毒を無毒化する能力が備わっていると考えられています。
しかし、種を食べ過ぎると中毒症状を起こしてしまうので、注意しましょう。
また、天然ゴムアレルギーのある方が食べると、アレルギー症状を起こす危険性があります。
また小さい子どもさんや高齢者の方、体調が優れない時などは、無理して食べない方が良いでしょう。
ペットへの影響
ペットがアボカドの種を食べると、「ペルシン」という物質が危険を及ぼします。
具体的には、下痢や嘔吐、けいれんや呼吸困難などの症状が出て、最悪死に至ると言われています。
ペットを飼育している方は、アボカドを調理に使用した後、種を放置することがないように気を付けましょう。
種にカビが生えたら食べられない?
アボカドの種にカビが生えていたら、食べない方が良いでしょう。
種にカビが生えているということは、見た目にはわかりにくくても果肉にもカビ菌が入り込んでいることが考えられれます。
アボカドは、変色しているだけなのか、カビなのか判断しにくいことも多いです。
色や状態で食べても大丈夫か見分けるポイントをお伝えします。
下記のようなカビが皮や果肉に見られた場合は、種にもカビ菌が潜んでいることが考えられるので、食べることは止めた方が良いでしょう。
皮に白い点々がある
アボカドの皮に付いている白い粉のような点々は、病虫害予防で使用された消石灰なので、口に入っても心配ありません。
皮に白いふわふわしたものがある
先ほどの消石灰とは違う白いふわふわしたものがついていたら、白カビだと考えられますので、食べないようにしましょう。
切った断面に黒い点々や筋がある
アボカドには、養分や水分を運ぶための維管束という管があります。
アボカドを切った断面に黒い点や筋があるのは、この維管束が酸化して変色しただけですので、味は少々落ちますが食べても大丈夫です。
切ったらヘタの部分が白くなっている
カビの原因となる微生物はヘタの部分から侵入するため、この部分が白くなっているものや果肉部分が白っぽく変色したものも、白カビの可能性があるので食べないようにしましょう。
切った断面が所々黒くなっている
アボカドを切った時に断面がまだらに黒くなっていることがありますが、これは低温に弱いアボカドが冷蔵庫で保存されて低温障害を起こしたものです。
見た目は悪くなりますが、食べることができます。
アボカドの種の美味しい食べ方
アボカドの種にはいろいろな食べ方がありますが、ここでは
- アボカドの種茶
- スムージー
- ふりかけ
- チップス
についてお伝えします。
アボカドの種茶
〈材料〉(アボカドの種1個分)
- アボカドの種:1個
- 水:1L
〈作り方〉
- アボカドの種を2,3mm位に切る
- 鍋に切ったアボカドと水を入れて、火をつけ、沸騰したら中火で30分程煮だせば完成
温かくしても冷たくしても、どちらでも美味しく飲めるので、季節に関係なく飲むことができます。
レモン果汁やはちみつを入れることで、また違った味が楽しめます。
アボカドの種とバナナのスムージー
〈材料〉(1人分)
- アボカドの種:1個
- バナナ:1本
- 牛乳(豆乳):150ml
- はちみつ:小さじ1
〈作り方〉
- 材料すべてをミキサーに入れて撹拌する
- コップに注いで完成
バナナの代わりに、小松菜やほうれん草などの野菜にするとヘルシーになります。
ふりかけ
〈材料〉(アボカドの種1個分)
- アボカドの種:1個
- いりごま:大さじ2
- 塩:小さじ1
- 鰹節:1パック
〈作り方〉
- アボカドの種をみじん切りにするか、ミキサーで砕く
- フライパンにみじん切りにしたアボカドの種を入れて、水分がなくなるまで炒める
- いりごま、塩、鰹節を入れて、全体が馴染んだら完成
細かく砕くとナッツのような香ばしさがあります。
調味料を和風(じゃこやごまなど)、洋風(ハーブソルト、カレー粉など)、中華風(ごま油やラー油など)に変えるといろいろな味が楽しめます。
チップス
〈材料〉(アボカドの種1個分)
- アボカドの種:1個
- オリーブオイル:適量
- 塩こしょう::適量
<作り方>
- アボカドの種を薄くスライスする
- スライスしたアボカドの表面にオリーブオイルを塗る
- 電子レンジで1分加熱する
- 塩こしょうをかけて完成
お菓子のようにアレンジできて、サクサクしています。
味付けは、コンソメ、スパイス系をプラスするなどに変えることができるので、飽きずに食べられそうです。
種の上下の見分け方
アボカドの種の上下の見分け方は、少し尖っている部分が上部で芽が出てくる方、丸みを帯びているのは下部で根が出てくる方です。
根が出てくる方は、触ってみるとざらっとしているので、分かりやすいと思います。
アボカドの種を取り出す時、包丁で刺したりしないように注意しましょう。
少しくらいの傷ならば心配ありません。
アボアドを栽培する際、種の上下を確かめることが大切です。
ある程度の期間過ぎても芽が出てこない、上部から根が出て来ているなどに気づいた場合は、要注意です。
アボカドの種の上下を逆に植えてしまったことに気づいたら、その時点でアボカドを正しい状態に植え替えることが必要です。
アボカドの種の活用法や効果は?
アボカドの種の活用法は、上記でお伝えした「アボカドの種の美味しい食べ方」の他に、観賞植物としてお部屋や玄関などのインテリアとして使うことができます。
また、アボカドの種は、多くの健康効果が期待できると言われています。
アボカドの種を観葉植物として活用
アボカドの種を観葉植物として育てる方法は、水栽培と鉢植えがあります。
どちらの方法で育てるにしても、種をよく洗って、ぬめりを落とした後、水に入れて沈むかどうか確認します。
浮かんでしまった場合は、元気な種ではなく栽培には向かないので栽培は諦めましょう。
水に沈んだことを確認できた場合は、早めに植えましょう。
水栽培
〈用意するもの〉
- アボカドの種:1個
- コップなど水栽培用の容器:1個
- ようじ:3本
〈やり方〉
- よく洗ったアボカドの種に、ようじを3~4本刺す
*アボカドの種の尖った方を上にします - ようじをコップの縁にのせて、種の1/3が水に浸かる程度に水を入れる
- 気温が下がらない日当たりのよい場所(窓辺など)で育てる
- 清潔を保てるように、水は2日に1回程交換する
*1~2ヶ月程でアボカドの種が割れて、根と葉が出てきます - ある程度の大きさに育ったならば、植木鉢に植え替える
鉢植え
〈用意するもの〉
- アボカドの種
- 鉢
- 園芸用の土
〈やり方〉
- 園芸用の土を入れた鉢に、よく洗った種を尖った方が上になるようにして植える
- 水をたっぷりあげる
*アボカドの種は、乾燥することに弱いので、よく洗った種を乾かないうちに早めに植えましょう。
水が切れることにも弱いので、植えた後は土が乾かないように水やりを忘れないようにしましょう。
アボカドの種の健康効果
アボカドの種の栄養素として多く含まれていると言われているのは
- 抗酸化物質
- 水溶性食物繊維
- フラボノール
の3つです。
この3つの栄養素を中心に期待できる効果として、抗がん作用、消化改善作用、血管系の病気の予防、美肌効果をお伝えします。
抗がん作用
アボカドの種には、フラボノールが含まれていて、がん細胞の増殖を抑えたり死滅させたりする抗がん作用があると言われています。
消化改善作用
アボカドの種は、自然界で最も多くの水溶性食物繊維を含んでいると言われています。
アボカドの種に含まれる水溶性食物繊維は、消化にもメリットがあり、消化器官の働きを助けてくれるので、善玉菌が増え、腸内環境が改善されて腸の病気予防にもなります。
血管系の病気の予防
血中コレステロールが高くなると、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などにつながります。
アボカドの種に含まれる抗酸化物質と食物繊維が、腸管でコレステロールと結合して体外に運び出し、コレステロール値を正常に保てるように調整する働きをしてくれるので、心疾患や脳梗塞の予防になります。
美肌効果
アボカドの種に含まれる抗酸化物質には、早期老化を予防する効果があり、さらに、コラーゲンやビタミンも含んでいるので、しわを防ぎ、肌をきれいにしてくれるそうです。
またアボカド種に含まれる水溶性食物繊維は、ごぼうやさつま芋などよりも効力があり、脂肪を吸収して老廃物を排出してくれます。
その上、アボカドの実の脂質を燃焼させる成分もあるので、ダイエットにも良いそうです。
アボカドの種は、健康にも美容にも効果がありますが、食べ過ぎるとカロリーや栄養の摂りすぎになりますので、気を付けましょう。
まとめ
アボカドの種は食べられるか、毒があるというのは本当なのか、食べ方や上下の見分け方はあるかなどについてお伝えしました。
アボカドの種は食べられます。
アボカドの種には、抗酸化物質や水溶性食物繊維が豊富に含まれていて、アボカドの栄養素の70%程が蓄えられていると言われているので、捨ててはもったいないです。
アボカドの種には、中毒を起こす原因だといわれている「ペルシン」という殺菌作用のある物質が含まれていますが、人間にはほとんど無害です。
しかし、天然ゴムアレルギーのある方が食べると、アレルギー症状を起こす危険性があります。
アボカドの種の食べ方には、アボカドの種茶、スムージー、ふりかけ、チップスなどがあります。
アボカドの種の上下の見分け方は、少し尖っている部分が上部で芽が出てくる方、丸みを帯びているのは下部で根が出てくる方です。
アボカドの果実も栄養豊富ですが、アボカドの種は驚くほど栄養価が高い食品です。
アボカドの有効成分を食生活に上手に取り入れて、より元気な日々が送れるようにこの記事を参考にしてもらえたらうれしいです。
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