鶏肉は、牛肉や豚肉に比べると価格も安く、和洋折衷どんな料理にも使えるので、身近な食材のイメージがあり人気の食材です。
同じ鶏肉でも部位によって価格に違いがあるのは、栄養や美味しさなどにも関係があるのか気になります。
- 鶏肉で一番安い部位は、胸肉と手羽元です。
- 鶏肉が豚肉や牛肉より安い理由は、飼育期間が短くて済み、飼育効率がよいからです。
それでは、鶏肉で一番安い部位はどこか、鶏肉が豚肉や牛肉より安い理由は何か、などについてもう少し詳しくご紹介していきます。
鶏肉を使った料理をよく作られる方、この記事を参考にしてもらえれば、今よりコストを抑えて美味しさは落とさない鶏肉料理ができますよ。
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鶏肉で一番安い部位は?
鶏肉で一番安い部位は、胸肉と手羽元です。
鶏肉にはモモ肉、胸肉、手羽、ささみ、ふりそでなどの部位があります。
鶏肉の部位ごとの価格
コストコで売られている鶏肉と、近所のスーパーで売られていた鶏肉の各部位の価格についてまとめました。
100gあたり | コストコ(さくらどり) | 近所のスーパーア(国産) | 近所のスーパーイ(国産) | 近所のスーパーウ(九州産) |
モモ肉 | 100円 | 98円 | 129円 | 138円 |
胸肉 | 47円 | 58円 | 79円 | 98円 |
手羽元 | 55円 | 58円 | 69円 | 88円 |
ささみ | 78円 | 88円 | 79円 | 158円 |
ふりそで | 89円 | 98円 |
*さくらどりというのは、コストコで人気の鶏肉で一般の鶏肉に比べてビタミンEが3倍以上含まれているそうです。
*各販売店によって、価格の変動はありますので、ご理解ください。
なぜ、胸肉や手羽元が安いかというと、日本ではジューシーな味わいを好む傾向があるので、モモ肉の人気が高く、胸肉は安くしないと売れないので、値段を安くしているということです。
しかし、海外ではヘルシー思考が高いので、胸肉を好んで食べる方が多いようです。
また日本でも、鶏胸肉は高たんぱく低脂肪なので、ダイエット中の方や筋肉を付けたい方に人気のある食材です。
手羽肉はモモ肉や胸肉に比べ骨が多いので、調理がしづらくまた食べづらい上に食べられる部分が少ないので、安くしないと売れないのでしょう。
鶏肉の希少部位「ふりそで」
鶏肉のふりそでという部位は、手羽元と胸肉の中間にある肩肉です。
ふりそでの部位
焼き鳥屋さんでは、ふりそでという名前で親しまれているそうですが、スーパーでは、「鶏肩肉」「鶏トロ肉」「肩小肉」などと表示されて販売されていることが多いようです。
胸肉に付いている白い脂部分が着物のふりそでに似ていることから、ふりそでという名前が付いたということです。
以前は胸肉から切り離さずに付けたまま販売されていたそうですが、最近は希少部位として切り離して販売しています。
ふりそでは鶏1羽から40~60gほどしか取れない希少部位なので、どこのスーパーにも置いてあるというわけではなさそうです。
ふりそでの価格
ネット上には「100g58円で売っていました。」という声がありました。
私が近くのスーパーで買ったふりそでは、100g89円でした。
モモ肉より安いですが、胸肉と比べると同じかやや高いこともあるようです。
ふりそでの部位が安い理由
胸肉はモモ肉に比べ、購入する人が少ないので余ってしまわないように安い価格で販売されていますが、ふりそでが安い理由も同様に考えられるのではないでしょうか。
ネット上には、「肩小肉という部位は、広告商品にも関わらず、夜7時過ぎでもほとんど売れていなかった。」という声がありました。
ふりそでの味
ふりそでの味や食感は、モモ肉よりも脂肪が少なく、胸肉よりジューシーで旨味のある味わいです。
胸肉のようなパサつきが少なく噛み応えや弾力のある肉質で、胸肉とモモ肉の良い所を足したような肉だと言われています。
私も実際にふりそでを照り焼きにして食べてみました。
モモ肉ほど脂はありませんが、胸肉のようなパサパサした感じが少ないので食べやすく、ヘルシーな感じで美味しくいただくことができました。
まさに、モモ肉と胸肉のいいとこ取りだと言われていることが実感できました。
鶏肉が豚肉や牛肉より安い理由
鶏肉が豚肉や牛肉より安い理由は、飼育期間が短くて済み、飼育効率も良いからです。
飼育期間の違い
鶏肉、豚肉、牛肉は生まれてからどの出荷の目安は
- 鶏肉:約50日
- 豚肉:約6ヶ月
- 牛肉:2年以上
ということで、鶏肉は生まれてから商品になるまでの期間が、豚肉や牛肉に比べて大変短いです。
日本で市場の約9割が、ブロイラーという食肉専用に飼われている鶏だそうです。
早くて安くて、しかも大量に収穫できるように品種改良されています。
飼育効率の違い
飼育期間が短ければ、それだけ餌代や人件費も少なくて済みますが、長くなればなるほど、餌代や人件費はかさみます。
鶏は、飼育期間が短い上に小さいので、あまり餌代がかかりません。
豚は牛より小さいので、牛より餌代や人件費も少なくて済みます。
豚は、一度に約10頭産み、年2回出産します。
牛は、長期間飼育され、一度の出産で1頭しか産まれません。
体が大きいので餌代もかさみます。
餌を作る人、餌や牛を運搬する人、牛の爪のケアをする人など、牛1頭に10人くらいの人件費がかかるそうです。
その上、体の半分くらいは骨のようなものなので、肉として食べられる部分は牛全体の半分くらいだと言われています。
以上のことから考えても、飼育効率が一番いいのは、鶏肉ということになります。
鶏肉、豚肉、牛肉の価格の違い
鶏肉、豚肉、牛肉の価格の違いはどれくらいなのか見てみると、
鶏肉100gあたりの平均価格は、
- 牛肉の3分の1
- 豚肉の3分の2
と言われているそうです。
近所のスーパーで、鶏肉、豚肉、牛肉の100gあたりの価格を調べてみました。
100gあたり | 近所のスーパー(国産)ア | 近所のスーパー(国産)イ |
鶏モモ肉(国産) | 98円 | 129円 |
鶏モモ肉(国産) | 128円(燦々(さんさん)鶏) | 138円(九州産) |
豚モモ肉(国産) | 168円 | 159円 |
牛モモ肉(国産) | 498円 | 499円 |
*燦々鶏というのは、抗生物質・合成抗菌剤を使わない飼料で育てられた鶏肉です。
鶏肉では一番価格が高い部位の鶏モモ肉でも、飼育期間が短く、飼育効率がよいので、豚肉や牛肉より安く手に入ることが分かります。
安い鶏肉は臭い?
安い鶏肉は、臭い場合もあります。
鶏肉の臭いの原因
鶏肉の臭いの原因として考えられる、餌の臭い、育った期間と環境、保管方法、酸化臭、腐った臭い、の5つについてお伝えします。
餌の臭い
鶏が食べていた餌は動物系の餌か、植物系の餌かなどによって肉の味は変わります。
特に鶏は餌の影響を受けやすいと言われており、食べているものにより独特の臭みとなってしまいます。
育った期間と環境
ブロイラーは飼育期間が50日程ですが、80日以上飼育すると美味しくなると言われています。
飼育期間が長い方が、コクが出て肉質が縮まってくるそうです。
またブロイラーは、鶏がなるべく動かないように狭い場所で飼育されます。
農家の庭先を放し飼いのように自由に飛び回っている鶏は、平飼いと呼ばれており、噛み応えのある肉質で味わい深い旨味の鶏肉になります。
保管方法
鶏肉をどのようにしてお店まで運ぶかも重要になります。
鶏肉は処理してからの時間が、美味しさを分けると言われています。
理想的には、処理してからチルドで運ばれてきた肉を12時間以内に食べると、びっくりするほど美味しい肉を味わえるそうです。
購入した鶏肉を、ご家庭で冷蔵庫や冷凍庫に入れますが、そのことで、他の食材の匂いや湿気を吸収してしまいます。
凍らせる場合は、1回だけにした方がよいです。
細菌が繁殖しやすく食中毒のリスクが高まりますので、再冷凍することは避けた方がよいです。
また、再冷凍を繰り返すことで味は落ちていきます。
酸化臭
鶏肉に限らず食品は、時間の経過とともに酸化します。
鶏肉の皮と身の間にある脂は、酸化すると機械油のような嫌な臭いがします。
冷凍した鶏肉を解凍して売られている場合は、冷凍中に酸化してやや劣化することがあります。
腐った臭い
臭い鶏肉を食べても腐っていなければ、体への影響は大丈夫でしょう。
鶏肉が腐った場合の特徴は、
- 硫黄や卵の腐ったような臭い
- 酸っぱい臭い
- 粘ついて糸を引く
- 表面が白や灰色っぽい色になる
- ドリップがたくさん出る
- カビが生える
などです。
腐った鶏肉を食べた場合は、食中毒になる危険性があるので注意が必要です。
鶏肉の効果的な臭い消しの方法
ドリップを拭き取る
買ってきてから数日した鶏肉は、ドリップと呼ばれている赤く水っぽい液体が出ている場合があります。
このドリップは、細菌が増殖し、臭いの元になります。
キッチンペーパーなどできれいに拭き取ることで、臭いを軽減することができます。
脂身を取り除く
皮と身の間にある黄色い脂身も臭いの原因となるので、キッチンバサミでカットするなどして取り除きましょう。
塩を揉み込む
鶏肉に大さじ1ほどの塩をよく揉み込んで、約10分ザルや網の上に置きます。
塩は水分を排出する効果が期待できるので、臭みが消えます。
その後は、水で良く洗い流します。
下味を付ける
鶏肉をお酒に浸けると臭いが軽減します。
臭いを良い香りで覆うことを、マスキング効果と呼ばれています。
その他のマスキング効果として、香味野菜やハーブなど臭み消しの効果がある食材で下味を付けるとよいでしょう。
臭くない鶏肉の選び方
臭くない鶏肉の選び方は、何といっても新鮮なものを選ぶことです。
肉の色
透明感のあるピンク色をしています。鮮度が落ちてくると白っぽく濁ってきます。
肉のハリ
新鮮な鶏肉は、表面にハリがあります。
店頭で押すことはできませんが、指先で軽く押した時に弾力があります。
肉の毛穴
新鮮な鶏肉は鶏皮の毛穴が盛り上がっていて、皮にも細かなひだが寄っています。
毛穴が閉じて表面が平らになっているものは、鮮度が落ちている証です。
我が家では牛肉はお高いので、鶏肉や豚肉がメイン料理の食材になることが多いですが、今までに「お肉が臭い。」と思ったことはありません。
私は胃腸が弱いので、ちょっとお値段が高くても、美味しくて安全な鶏肉を食べたいと思っています。
購入する時に心がけていることは、
- 国産の鶏肉を選ぶ
- 割引になっているものは買わない
- ドロップが出ていないものを選ぶ
- 冷凍されていないものを選ぶ
などです。
また購入後心がけていることは、
- その日に使う予定があるものは、冷蔵庫に入れる
- その日に使う予定のないものは、肉をパックから出してラップで包み、空気を良く抜いて冷凍用保存袋に入れ、急速冷凍する
- 解凍する時は、冷蔵庫で自然解凍する、鍋の伝導率の高さを利用して解凍する、氷水解凍する
などの方法を活用しています。
電子レンジの解凍は、ドリップが出やすくなり、鶏肉の品質が劣化してしまうので、急ぎの時のみ使用しています。
冷凍鶏肉の賞味期限や解凍に興味がある方は、下記をご覧ください。
まとめ
鶏肉で一番安い部位はどこか、鶏肉が豚肉や牛肉より安い理由は何か、などについてお伝えしました。
- 鶏肉で一番安い部位は、胸肉と手羽元
- 鶏肉が豚肉や牛肉より安い理由は、飼育期間が短くて済み、飼育効率も良いから
鶏肉は、豚肉や牛肉より価格が安くて美味しいです。
しかも、栄養価も高いので料理に積極的に取り入れてほしいお肉です。
鶏肉は部位によって価格や食感にも違いがありますが、この記事を参考にしてもらえれば、買い手がやや少ないと言われている部位にも目を向けて、美味しく食べられ、満足できると思います。
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