お正月には鏡餅、桃の節句には菱餅、端午の節句には柏餅と、お餅は日本の行事食としても定着しています。
つきたてのお餅は切れないのでしばらく置いてから切ろうとしたところ、思ったよりも固くなってしまうことがあると思います。
- 固い餅の切り方として、日本酒を使う方法、水とレンジを使う方法、お湯を使う方法、大根を使う方法があります。
- 柔らかい餅がくっつかない切り方として、包丁を濡らす方法、餅とり粉を使う方法、クッキングペーパーを使う方法、大根を使う方法があります。
それでは、餅の切り方の裏技として、餅が固い時や柔らかい時にくっつかない切り方などについて、もう少し詳しくご紹介していきます。
この記事を参考にしてもらえれば、手作りののし餅でも、冷凍した餅でも、真空パックの鏡餅でも、上手に切れる裏技が分かるので、食べようと思った餅がうまく切れずに嘆くことがなくなりますよ。
固い餅の切り方
固い餅の切り方として、
- 日本酒を使う方法
- 水とレンジを使う方法
- お湯を使う方法
- 大根を使う方法
をお伝えします。
日本酒を使う方法
日本酒を使って固い餅を切る方法は、下記のようになります。
- 霧吹きに入れた日本酒を、固い餅全体にふりかける。
- そのまま1時間ほど放置した後、包丁で切る。
固い餅がお酒の作用で柔らかくなるので、包丁で切りやすくなります。
水とレンジを使う方法
水とレンジを使って固い餅を切る方法は、下記のようになります。
- 固い餅を1~2時間水に浸ける。
- 電子レンジ500Wで4~5分温める。
時間は餅の固さや大きさ、電子レンジの機種によっても異なりますので、10~20秒刻みで調節してください。
柔らかすぎてしまうと切りづらくなってしまうため、表面に僅かに弾力が出る程度でよいでしょう。
お湯を使う方法
お湯を使って温めた包丁で固い餅を切る方法は、下記のようになります。
- 包丁の刃を浸せられる大きさの鍋にお湯を沸かす。
- 沸騰したお湯に、包丁を30秒ほど浸して刃を温める。
- 包丁がまだ熱いうちに、包丁の水分を拭き取ってから餅を切る。
温めた包丁を使うと、冷たい包丁で切るよりも刃先が固い餅にすっと入っていきます。
包丁の水分を拭き取るのは、餅の断面に水が付くとカビが発生しやすくなるからです。
大根を使う方法
大根を使って固い餅を切る方法は、下記のようになります。
使う大根は一切れあれば済みます。ヘタの部分だけでも大丈夫です。
- 包丁で大根を切る。
- 大根を切った包丁で餅を切る。
- その都度、包丁の刃に大根をあてて包丁を濡らしてから餅を切る。
大根に含まれるアミラーゼという成分と包丁に付く水分のお陰で、包丁のべたつきが取れるので通りが良くなります。
アミラーゼにはでんぷんを柔らかくする効果があります。
柔らかい餅がくっつかない切り方
柔らかい餅がくっつかない切り方として、
- 包丁を濡らす方法
- 餅とり粉を使う方法
- クッキングペーパーを使う方法
- 大根を使う方法
をお伝えします。
つきたての餅は包丁では切れませんので、1日ほど置いて表面が少し固まってから、下記の方法で切ることをおすすめします。
包丁を濡らす方法
包丁を濡らして柔らかい餅を切る方法は、下記のようになります。
- お湯を張れる大き目の容器に、お湯を入れる。
- お湯を入れた容器に包丁を浸す。
- 濡らした包丁で、餅を切る。
- 包丁に付いた餅を洗って取り、再度餅を切る。
お湯に浸した布巾で包丁を拭きながら切るのでも良いですが、熱いのでやけどに注意する必要があります。
餅とり粉を使う方法
餅とり粉とは、餅つきの時に餅が手や臼に付かないように使う粉のことで、とうもろこしデンプンが使われますが、上新粉や片栗粉、コーンスターチでも代用できます。
餅とり粉を使って柔らかい餅を切る方法は、下記のようになります。
- 餅に餅とり粉を振りかける。
- 包丁で餅を切る。
餅とり粉を使うと、包丁に餅がつきにくくなるため切りやすくなります。
私が子どもの頃実家では、暮れに正月を迎える準備として機械を使って餅つきをしていました。
ついた餅をのし餅にして、日の当たらない涼しい所に1日ほど置いておきました。
餅を切る時に、父は餅とり粉を振りかけて包丁の背にタオルを乗せて餅の上から押して、一気にザクッザクッと切っていました。
餅とり粉を振ることで、包丁に餅がつきにくくなったようで、餅の大きさを揃えて手際よく切っていたことを思い出しました。
クッキングペーパーを使う方法
クッキングペーパーを使って柔らかい餅を切る方法は、下記のようになります。
- クッキングペーパーを二つ折りにして、包丁を包む。
- その包丁で、餅を上から押して切る。
餅を切る時に、包丁を手前に引いたり前に押したりして切ると、包丁に餅がつくので切りにくくなります。
大根を使う方法
大根を使って柔らかい餅を切る方法は、下記のようになります。
この方法は、固い餅を切る方法で記した方法と同じです。
- 包丁で大根を切る。
- 大根を切った包丁で餅を切る。
- その都度、包丁の刃に大根をあてて濡らしてから餅を切る。
大根に含まれるアミラーゼという成分は、デンプンを溶かす効果があるので餅と包丁の摩擦が軽減され、切りやすくなります。
大根の汁は、水と比べると餅についてもカビにくいです。
大根、餅、大根、餅と、餅を切る度に大根も切るので、大変さはあります。
冷凍した餅の切り方
冷凍した餅を切るには、冷凍餅を解凍してある程度柔らかくしてから切ります。
冷凍餅を解凍する方法として、
- 冷蔵庫で解凍する
- 水に浸けて解凍する
- 電子レンジで解凍する
についてお伝えします。
冷蔵庫で解凍する
冷凍餅を冷蔵庫で解凍する方法は、下記のようになります。
- 餅を食べる予定日の半日ほど前に、冷凍庫から冷蔵庫に移しておく。
この方法は時間にゆとりがある場合におすすめの方法です。
時間をかけて冷凍餅を解凍するので、餅の味が落ちずに柔らかくできます。
しかし、冷凍前から乾燥して固い餅は、冷蔵庫で解凍しても柔らかくならないのでご注意ください。
水に浸けて解凍する
冷凍餅を水に浸けて解凍する方法は、下記のようになります
- 餅が入る大きさの器に水を張る。
- 水を入れた器の中に冷凍餅を入れる。
- ちょうどよい柔らかさになったら器から取り出す。
この方法も、解凍に少々時間がかかります。
電子レンジで解凍する
冷凍餅を電子レンジで解凍する方法は下記のようになります。
- 冷凍餅を水にくぐらせる。
- 餅より少し大きめのオーブンシートを耐熱皿に敷き、餅をのせて電子レンジ600Wで50秒ほど加熱する。
- 固いようならば、10~20秒ずつ加熱する。
餅を温め過ぎると柔らかくなって切りにくくなるので、様子を見ながら時間を調整してください。
冷凍餅を解凍する方法として3つの方法をお伝えしましたが、時間を優先したい場合は電子レンジで解凍、餅の風味を優先したい場合は、冷蔵庫での解凍または水に浸けて解凍するとよいでしょう。
真空パック鏡餅の切り方
真空パック鏡餅の切り方として、
- お湯で茹でる方法
- レンジで加熱する方法
- 鎚を使って砕く方法
をお伝えします。
お湯で茹でる方法
真空パック鏡餅の切り方として、お湯で茹でる方法をお伝えします。
- 鍋にたっぷりの湯を沸かす。
- 鏡餅の封を切らないで、お湯の中に入れて15分ほど茹でる。
- お玉を使ってお湯から鏡餅を取り出す。
- 水を入れたボウルに鏡餅を2~3分入れて粗熱を取る。
- 鏡餅パックの底の縁をハサミで切り取りフイルムを剥がす。
- パックの中にある餅を取り出してお好みの大きさに切る。
パックから出す時には、水で湿らせたスプーンなどでかき出すようにすると出しやすいです。
お湯で茹でるため焼き餅には向かないので、お雑煮やお汁粉、きな粉餅などで食べるとよいでしょう。
レンジで加熱する方法➀
真空パック鏡餅の切り方として、パックに入れたままの状態でレンジで加熱する方法をお伝えします。
- パックの底の縁をハサミで切り取り、フイルムを剥がす。
- フイルム面を上にして耐熱皿にのせ、電子レンジ500Wで40秒~1分ほど加熱する。
- 加熱し終わったら鏡餅のパックを揉んで空気を含ませて、親指は鏡餅の頭の方に、他の指は底にひっかけて餅を押し出す。
- 包丁で餅を好みの大きさに切る。
加熱することで餅が柔らかくなり包丁で切りやすくなりますが、加熱し過ぎると容器から取り出しにくくなります。。
レンジで加熱する方法②
真空パック鏡餅の切り方として、包丁やハサミを使って鏡餅を取り出した後、レンジで加熱する方法をお伝えします。
- 鏡餅のパックの底の縁をハサミを使って切る。
- 鏡餅のパックの下から餅との間にハサミを入れたら、上部に向かって少しずつ切り込みを入れる。
- 一番上まで切り込みを入れた後、両手で広げて餅を取り出す。
- 取り出した餅を水にくぐらせる。
- 餅にラップを巻いてから、レンジで15秒ほど加熱する。
- 餅が切りやすい固さになっていたら、水で濡らした包丁を使って好みの大きさに切る。
切れない固さの場合は、10秒ずつ様子を見ながら追加して加熱します。
加熱し過ぎると切り分けづらくなるので注意が必要です。
お餅を取り出す際に、容器の切り口で手を切らないようにすることや、お餅を切る時に固いので手を傷めないようすることなどに注意してください。
容器から取り出したり、お餅を切ったりする時に大変そうですが、焼き餅にしたい時にはこの方法が一番向いているようです。
鎚を使って砕く方法
鏡餅を開ける鏡開きは、元々武家の風習でした。
神仏にお供えした鏡餅を、刃物で「割る」「切る」は切腹を連想させてしまい縁起がよくないなどの理由で、鏡餅は木槌などで割って鏡開きと呼ばれるようになりました。
鏡餅を切るのは、気が進まないという方もおられると思いますので、真空パック鏡餅の切り方として鎚を使って砕く方法をお伝えします。
- 固くなった鏡餅を、上記の要領でハサミを使ってパックから取り出して、半日ほど水に浸しておく。
- 電子レンジで5分ほど加熱する。
- 風通しの良い所で鏡餅を乾燥させ、ひび割れてきたら木槌や金槌で叩く。
鏡餅を使う料理の大きさに小分けして用途ごとに別々に保存すると、後日料理をする時に重宝します。
加熱時間はお餅の大きさや電子レンジの機種によっても異なりますので、途中でお餅の様子をみて調整してください。
まとめ
餅の切り方の裏技として、餅が固い時や柔らかい時にくっつかない切り方などについてお伝えしました。
- 固い餅の切り方として、日本酒を使う方法、水とレンジを使う方法、お湯を使う方法、大根を使う方法がある。
- 柔らかい餅がくっつかない切り方として、包丁を濡らす方法、餅とり粉を使う方法、クッキングペーパーを使う方法、大根を使う方法がある。
餅を冷凍した時の日持ちは半年と言われていますので、お正月に冷凍保存しておいたお餅をそろそろ食べ切りたい時期だと思います。
のし餅は、1日ほど置いてから切るのが一番切りやすいと言われています。
しかしその時期を逃してしまった時や冷凍した餅を切りたい時、また真空パックの鏡餅を切りたい時などにこの記事を参考に、良さそうだと思った方法を試して、美味しいお餅を余すことなく食べていただけたら嬉しいです。
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